2月28日、スポーツ朝鮮紙は「仁川ユナイテッドが選手とスタッフに2月分の給料を支払っていない」と報じた。2003年のクラブ創設以来初の出来事であり、パク・チャンジュン記者は「事実上破綻の危機にある」と書いた。
仁川の毎月の給与総額はおよそ7億ウォン(日本円では5000万円ほど)。25日が支払日であったが、今月分について仁川は選手、スタッフに財政難を説明し、了承を求めたとのことである。
しかし関係者の間では不満が広がっているようだ。選手の1部はメディアのインタビューを拒否するほどであり、スタッフの一人は
「今年はスンウィスタジアムにオフィスを移して、今は開幕の準備をするべき時期なのに、こんな雰囲気では仕事が出来ない」
と漏らした。
「数日支払いが遅れた。物を売る会社ではないので収益を正確に計るのは難しい。毎年春は状況が良くない。ただ方法はあるのですぐ解決される」
チェ・スンヨル団長はこうコメントをしたと言うが、記者はこの見通しにも疑問を呈している。
収益の大部分を占めるスポンサー契約が為されておらず、現在でもいくつかの企業と接触している最中である。経営正常化のための緊急委員会が組織され、委員長を引き受けたキム・ジニョン氏が企業を訪ねているが、まだ成果はない。緊急的な借り入れにより目前の危機は脱したが、後は新たな社長がスポンサーを持ってくることを期待するのみだという。
仁川の財政難については昨年から予想されていた。昨年の予算は190億ウォンで、その70~80%を人件費に使っており、成績も上がらない中で放蕩経営が続いていた。今年は155億ウォンに圧縮したが、そのうち30億がスンウィスタジアムへの移転費用で、コストカットが必要とされていたという。
しかし仁川は他のクラブとは異なり人件費をカットせず、45人の選手を抱え、さらにキム・ナミルやソル・ギヒョン、ネイザン・バーンズを獲得して給与はむしろ増加した。今回の給与未払いが「賃金を減らそうとする駆け引き」と見る関係者もいるそうだ。
(筆:Qoly編集部 K)