サウサンプトンへの移籍が立ち消えとなってから一転、マンチェスター・ユナイテッド入団が決まったフィテッセのアレクサンデル・ビュトネル。
現在23歳のビュトネルはオランダU-21代表経験もある左サイドのスペシャリスト。 基本的には中盤の左サイドを主戦場とするが、左ウィングや左サイドバックもこなし、昨シーズン終盤には左SBに定着。 左SBの人材がやや手薄ともいえるオランダ代表にあって、EURO2012の代表候補36名にも名を連ねた。
ただ、プレースタイルとしては内寄りでプレーするのを好むほか、高いテクニックを持つ反面ボールを持ちたがる傾向もあり、サイドバックが本職とは言い難いタイプではある。 そんなビュトネルに対するユナイテッドスカウトの評価は決して最高というわけではなかったとオランダ紙『AD』が伝えている。
それによると、近年ユナイテッドでオランダ担当スカウトを務めるエド・ファン・スタイン氏はこのように語っている。
「毎シーズン、ヨーロッパのスカウト陣はクラブから選手のリストを求められるんだ。そのリーグの全てのポジションでベスト5を選び出すようね」
「昨シーズン終わりに私が送ったリストではビュトネルは3番か4番目だった」
「本当のところビュトネルはモニターするつもりだったんだ。パトリス・エブラがいなくなった場合を考えてね」
「もしあなたの手元にビッグリーグのスカウト評があれば、どのみちビュトネルには関心を引かれ、すぐに視察に向かっただろう」
「ただ、私はこうも言わなければならない。もし私がオランダ代表の監督だったなら、EUROには例えばイェトロ・ヴィレムス(PSVの左SB、18歳)よりは彼を連れていっただろうね」
一方、ビュトネル入団に際してアレックス・ファーガソン監督は「アレクサンデルはヨーロッパでも最も有望なレフトバックのひとりだ。我々は彼と契約することができて嬉しい。彼のことは今までチェックしていた」とのコメントを寄せている。ファギーの期待を背にビュトネルは新天地で最高の活躍を見せることはできるだろうか。
なお、ユナイテッドの次戦は25日、オールド・トラフォードでのリーグ2節フラム戦となっている。
(筆:Qoly編集部 I&H)