批判続出のポーランド戦を振り返り

雨による順延を経て、今週火曜日に行われたポーランド対イングランドの一戦はスリーライオンズのサポーターにとっては大きな不満が残ったことだろう。ウェイン・ルーニーのゴールで先制点を上げたものの後半に追いつかれて引き分け。また、ゲーム内容も十分批判対象となるレベルであり、多くのマスメディアが否定的なコメントを掲載した。

そして、『bleacherreport』のコラムニスト、イアン・ハンフォードもその一人だ。彼からすればその試合で特に気になったのはジョリオン・レスコット、トム・クレヴァリー、ウェイン・ルーニーのようで、彼らを名指しして、以下のように改善要請を求めた。


ジョリオン・レスコット

イングランドのセンターバックはポーランド相手にナーバスになっていたように見えた。ボールは足につかず、失点を許した。もちろん、ジョー・ハートに責任もあったが、あれは五分五分だろう。彼はペナルティボックスの中であまりにも受動的にプレーし過ぎていた。コーナーキックからカミル・グリクにヘディングを許してしまった主な理由はここにあると思う。

英国のファンは、彼がボールを持つたびに緊張してしまうものだ。何故なら、自信を持ってピッチに立っていないからだ。

たしかに、彼は技術を持ったプレーヤーと言えるだろう。しかし、イングランドにはより安定感のある人材が必要だ。さもなければ、中央に大きな不安を抱えることになる。

トム・クレヴァリー

クレヴァリーはイングランド屈指の若手であるが、火曜日の夜にはその面影はなかった。

もちろん、3つのポジションを渡り歩くことは難しいだろう。だが、彼にはガッカリさせられてしまった。彼のパスはどれも怪しく、方向がはっきりと定まっておらず、何をしているのかわからない状況であった。

イングランドは、クレヴァリーがアウトサイドやインサイドのどちらでプレイするにせよ、彼に創造性を求めているのだろう。それはこのチームにプレイメイカーが欠けているからだ。そして、この不足により、イングランドは攻撃がシンプルなもの一辺倒に陥りやすいという症状を抱えている。

もちろん、クレヴァリーは復活するだろう。だが、少なくとも彼が火曜日の夜に見せたパフォーマンスは落胆させるものであった。

ウェイン・ルーニー

この試合に出場した選手の中で最も期待されたのがこの男で、実際、彼はチーム唯一のゴールも奪って見せた。だが、それ以外では何も貢献できなかったのが実情だ。得点を奪うことは決して悪くはない。しかし、それだけで何もかも片付けるのはよくないことだ。

ルーニーは、あの日、イングランドで最も最悪なパサーであった。彼はどのエリアでもプレッシャーにさらされ、イングランドの攻撃を失敗させる判断ミスをいくつも犯してしまっていた。国際経験豊かな彼にとって、この問題は許しがたいことだろう。ポゼッションの浪費は攻撃の流れをせき止めるようなものだが、彼はそれをポーランド戦で見せてしまったのだ。

もし、イングランドが解決策を見出したいのであれば、ルーニーは自身のゲームでトップになる必要がある。


この試合を見たものであれば、彼の見解も少しは納得できるだろう。

ただ、個人的には、「彼らが悪かった」というよりは、「そもそもチーム全体が機能していなかった」という印象を感じた。

今夏のEUROでもそうだったが、イングランド代表のフットボールスタイルは日を追うごとに受動的なものになりつつある。例えば、ポーランド戦で言えば、彼らはDFとMFのブロック設定に気を遣い過ぎるあまりに、ボールホルダーに対するチェックを怠るシーンが散見していた。そのため、ポーランドの攻撃陣相手に簡単にボールを回された挙句、スペースに入り込むプレーヤーや裏に飛び出す動きに対してついていけず、「ピンチの一歩手前」は何度も起こった。結果的にはコーナーキックからの一失点に終わったが、もし、相手チームがポーランドではなく、それ以上のレベルの攻撃陣を要するところであったのならば、ピッチが惨状と化していてもおかしくはなかった。

また、攻撃面においても、いざボールを回そうにも効果的にボールが動いている時間帯は皆無であった。サイドバックが高い位置を取り、セントラルミッドフィルダーに位置するジェラードがアタッキングサードに侵入できた時には可能性を感じたが、それはどれも個々の仕掛けや強引さから生まれたものであり、ブロックで崩す、チームで崩すというシーンを探すことは難しかった。

チームの機能不全は、フランク・ランパードの欠場やジェック・ウィルシャーの長期離脱が最たる理由とする考えもあるようだが、現在のスリーライオンズが抱える問題はそれだけではないはずだ。

(筆:Qoly編集部 T)

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