そもそもRSSSFって、どんなサイト?
― そもそも、RSSSFというのはどういうサイトなんですか?
元々はインターネットが整備される前、1980年代のニュースグループのメンバーが作ったサイトなんです。
当時はまだインターネットが未整備で、不特定多数の人達が情報を交換するのにはネットニュース、今の同報メールの仕組みと似ていますが、これを使っていました。その中のサッカーファンのグループが、インターネット時代になったなら自分達でデータベースのサイトを作ろう、そのための組織も作ろうというのが始まりでした。
― だから1994年という早い発足なんですね。
ニュースグループのメンバーは世界中にいるので、サイトも当然英語になりましたね。ただ、ブラジルやノルウェーなどではローカライズされた独自のRSSSFもあります。メンバーはドイツや北欧系の人が多かったようで、今の理事長はドイツに住むオランダ人です。
― 必ずしもその国の人が担当をしているわけではないのですね?
わたしはサッカーを見ても相手のマイナーチームが気になってしまうタイプです。スロベニア代表と試合をすれば、スロベニアの歴史的背景から入る。なので、私自身も興味を持った国のデータを作っていますし、逆に外国人が今でも日本のデータを送ってくることがあります。
この間も地域リーグの試合結果を、ベルギー人が作ってきました。なぜベルギー人が?と思って質問をしたところ、「日本のアニメなどの文化が好きでそこからスタートして・・・」とのことでした。
― ベルギー人が日本のJではないデータを作るというのはすごいですね。実際の業務内容は自由なのでしょうか?
基本的にはボランティアという扱いになっています。データは基本的に代表者に投げるのですが、他国のデータを扱う時は判断が難しいので大変です。
― 言葉の問題ですね?
はい。英語圏ならまだ良いのですが、キリル、アラビア、ヘブライ・・・といった国のデータは各サイトで表記方法が違う。JFA、FIFAとかでも違いがあるし、大会や試合の公式データによっても違うことがある。
そのため、私のやり方としてはJFAではこの名前でFIFAではこの名前だけど・・・と表記ぶれを網羅したリストにしてファイルを送っています。
― それはすごいですね。そこまでいくとボランティア以上になってくると思いますが、普段のお仕事はどうなさっているのでしょうか?
元々は歴史系の研究者だったんです。ただ、今ではそれ以外にも色々やらせていただいていまして、歴史系の雑誌への寄稿もしていますし、RSSSFからの繋がりでFIFA.comの日本代表戦速報なども担当しています。