2000-01シーズンまでスペイン1部に所属していたレアル・オビエドがクラブ存亡の危機に立たされている。

1926年のクラブ創設以降、アドリアン・ロペス(現アトレティコ)、サンティ・カソルラ(現アーセナル)、ミチュ(現スウォンジー)、フアン・マタ(現チェルシー)らを輩出するなど由緒あるオビエドは現在2部B(実質3部)に所属しているが、財政難に陥り破産を免れるためには今月17日までに190万5千ユーロ(約2億円)の資金を集める必要があるのだ。

そんなオビエドを救おうとする活動について『El País』で配信されていたのでご紹介する。


オビエドが危機的状況にあるなか、今月1日に『Guardianen』紙のコラムニストでスペインで活動するイギリス人ジャーナリスト、シド・ロウ氏が「プレミアリーグにカソルラ、マタ、ミチュを送り出したクラブが破産の危機にあります。どうか株を買ってください。@sosrealoviedo」とTwitter上でコメントを出した。

約10万人近いフォロワーを抱えるロウ氏の呼びかけもあって、現在までに80万ユーロの資金が集まっているそうで、このようなファンの反応にクラブも驚いたというが、“救済活動”はさらなる広がりを見せている。 株購入を募るため10か国語に対応したウェブサイト(yosoyelrealoviedo)を開設したところ、これまでに41か国5000人以上の人々が株を購入したそうで、さらにはあのレアル・マドリーも10万ユーロ分を購入することにしたと伝えられている。

このオビエドにまつわる出来事はBBCやCNN、ESPNなどによって世界中に配信され、先週水曜日にCLセルティック対バルセロナ戦が行われたセルティック・パークでも『オビエドを救え』との横断幕が掲げられた。


また、この動きはヨーロッパに留まることなく、MLSのポートランド・ティンバースのサポーター、シェルリーン・ラーセンさんの呼びかけによってクラブのサポーター団体『Timbers Army』も200株を購入した。ラーセンさんは「小さなクラブに対して感じる大きな情熱は理解できるんです」とオビエドに限らず、この10年間で危機的状況に陥ったクラブにおいてファンが果たしてきた重要な役割について話したという。

紆余曲折を経てこのような状況に陥ったオビエドだが、自らも苦境にあるスペインの若いファンたちも立ち上がっている。

失業中のエンジニアであるフエンテスさんと友人のマルティンさんにとってオビエドはとても重要な存在で、マルティンさんは「私にとってオビエドが死んだら、フットボールも死ぬんです」と強調し、彼の友人であるアベルさんは30株を購入したという。

また、この月曜日に失職したばかりのマリアさんと看護師であるナタリアさんたちにとってもそれは同じで、マリアさんは「オビエドは友達みたいなものなんです。助けを必要としている時には手を差し伸べなきゃ」と株を購入後に話したそう。


オビエドの救済活動がスペイン国外にも広がりを見せるなか、オビエド出身のフットボーラーも立ち上がっている。『ESPN』によれば、スウォンジーのミチュは

「 僕とマタ、カソルラはみんな株を買ったよ。だけど、それがいくらなのかを僕が口にするのは違うと思う。僕らはただ単にかつてプレーしたクラブを救いたいというだけさ。スペインの経済状況はとても悪く、クラブが存続するためには2百万ユーロが必要なんだ。多くの人が株を買っているので、うまくいけば17日までに十分な額に達するだろう。僕が愛する地元のクラブだし、達することを願っている」

と語り、ミチュが現在所属するスウォンジーもかつてオビエドと同じような境遇にあったことから

「 スウォンジーのファンは僕やオビエドサポーターにとってどれほどの意味を持つか分かってくれるだろう。僕が初めてここを訪れた際、スウォンジーの歴史について学んだことを覚えている。10年前とそれ以前にもクラブが困っていた時、スウォンジーサポーターが株を購入したことについて読んだのを覚えているよ。そして、現在のクラブに目を移せば、プレミアリーグに所属し、アンフィールドのようなところで勝利もあげている。うまくいけば今回のSOSによって(スウォンジーと)同じリアクションを得られるかもね」

とも述べたそう。








(筆:Qoly編集部 I)

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