「東南アジアからJリーグへ」
「東南アジアのサッカーはこれから絶対に面白くなる!」
そんな想いと共に、カンボジアに飛び込んだ筆者がローカル目線でフットボールの新たな可能性を模索していく本コラム。自己紹介は今後追々するとして、第一回からいきなりインタビュー記事を書かせていただく。
今回はガンバ大阪で長年プレーし、その後JFLを経てタイリーグへ参戦、そして、現在はJDFA(一般社団法人Japan Dream Football Association)の代表として、東南アジアからJリーガーを誕生させるために奮闘している、そんな「アジアな男」木場昌雄さんの活動をご紹介したい。
日本と東南アジアの架け橋に
「私がタイで3年間プレーしているときにタイ人選手たちのポテンシャルの高さをすごく感じたんです。それに、Jリーグはアジアの中で尊敬される存在ですし、プレーする環境もアジアでナンバーワンだとその時に再認識することができました。この素晴らしい環境に本気で挑戦するチャンスを東南アジアの選手にも与えたい、それがJDFAの活動の始まりです。今までタイ、ミャンマーなどのサッカーも見てきましたが、ここ東南アジアからJリーガーを輩出することができれば様々な波及効果が期待できると思います。Jリーグも現在東南アジアでの放映権の獲得に積極的ですけども、テレビに自国の選手が出ていればみんな絶対に観るじゃないですか。そういうこともあって、最初の一人が誰になるかというのは、私はすごく大切だと思っています。最初の一人がいまいちだと、やっぱり東南アジアはその程度かって思われてしまいますし。やはりそこは慎重かつ大胆にいきたいです」
「夢は東南アジアの選手がJリーグで活躍し、そして欧州で活躍すること。欧州のチームは東南アジアは見てませんが、Jリーグだったら見ている。非常に可能性はあると思っています。ただ、東南アジアからJリーガーを1人輩出して終わり、ということでもないのでいかに継続的に輩出できるかということも考えています。今はスポンサーをいかに獲得していくかなど課題もたくさんありますが、様々な方の力を借りながらやっています」
日本のためにアジア全体のレベルを上げる必要がある
「ヨーロッパではどんな強豪国でもワールドカップに出れる保証はありません。それほどライバル国のレベルが高いんです。もちろん日本も出場が保証されているわけではありませんが、日本のライバル国、競合国がアジアにもっと増えても私は良いと思っています。でなければ結局ワールドカップに出場したところで勝負どころの試合で負けてしまう。日本が本当に強い国になってワールドカップで勝つ為には、まず相手を強くしなければならないんです」
「私たちJDFAの活動を通してアジアのサッカーを発展させる、それが日本のサッカーの発展に繋がると思いますし、逆に東南アジアのサッカーが注目されれば、Jリーガーのセカンドキャリアといった日本から東南アジアへ、という動きも増えてくると思います」
カンボジアを拠点に
「確かにカンボジアはまだスポーツをする環境が十分には整っていないと思います。良いスタジアム、良き指導者も少ない。でも、何も無いから面白いし、何よりカンボジアという国にすごいポテンシャルを感じています。今後のカンボジアでの具体的な活動としては、まず私たちの活動を知ってもらうためにもプノンペンでサッカークリニックをおこなって、来年の4月あたりにはサッカーアカデミーを開きたいと考えています。目的は育成年代を伸ばしてJリーガーを輩出することですから、語学などJリーグを見据えた教育などもしていきたいと思っています」
「カンボジアの選手もこれまでは海外でのプレーを思い描くってことがなかったと思いますが、これからは私たちの活動を通して、高い目標に向かってプレーをしてもらいたいです。それに、サッカーは心を1つにできるスポーツ。これほどチカラを持ったスポーツは他にないじゃないですか。日本を見てみてもサッカーの代表戦になると国として一体感が出て、皆で選手を応援します。カンボジア含め、東南アジアの国々でも是非そうなってほしい。サッカーを通して国がまとまってくれれば嬉しいですね」
Photo by Masayori Ishiakwa
木場昌雄(きば・まさお)
1974年生まれ。兵庫県南あわじ市出身。滝川第二高卒業後、1993〜2004年の12年に渡ってG大阪で活躍。2001〜2003年にはキャプテンを務める。その後、アビスパ福岡、地域リーグのコーチ兼選手を務め、2008年から3年間タイのカスタムズFCでプレー。2010年10月に引退し、翌年9月に一般社団法人Japan Dream Football Association(JDFA)を設立し、代表理事に就任。現在、東南アジアからJリーガーを誕生させるため活動中。ホームページ:http://j-dreamfootball.net/
筆者名 | Yu Kobayashi |
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プロフィール | 1988年7月3日生まれ カンボジア在住のフリースタイルフットボーラー&フットサラー。フットサルダニエルFC所属。フットサルギネス記録保持者。「スポーツを通した社会開発」を軸に21世紀型のスポーツをリフティングしながら考えるのが趣味。ローカル志向のミニマリスト。 |
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