「まずはここからの半年が勝負」

冬の移籍市場が解禁し、続々と交渉がまとまる中、アメリカの人気Webサイト『bleacherreport』のコラムニストであるトム・サンダーランドがこれまでに誕生した「7つの大型移籍」をまとめていたので、その記事を参照におさらいしておこう。

デンバ・バ(ニューカッスル→チェルシー)

セント・ジェイムズ・パークで覚醒したセネガル代表ストライカーの移籍は、イングランド中のサッカーファンを驚かした。「今冬でのニューカッスル退団」は予てより噂に上がり、確定事項のように思われていたものの、チェルシーへ移ることを予想できたものは少なかっただろう。マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルからの関心が囁かれ、一時は「ガナーズ入り」が確実視される中での「ブルーズ加入」は意外な出来事であっただろう。加入後の三試合で二得点を記録するなど、既に結果を残しており、シーズン終了後には“間違いでなかった移籍”の一つとしてカウントされることだろう。

アレシャンドレ・パト(ミラン→コリンチャンス)

ズラタン・イブラヒモヴィッチがチームを去ったこともあり、今後のミランを背負うエースとして大きな期待が寄せられていたが、その願いが成就することはなかった。度重なる故障により、コンスタントな活躍を見せられず、今期に至っては主役の座を自分よりも若いステファン・エルシャラウィに奪われ、完全に控え要員に。移籍金1500万ユーロとミランへの愛を表した涙と共にブラジルへ飛び立った

ヴァグネル・ラヴ(フラメンゴ→CSKAモスクワ)

念願のブラジル復帰が叶い、「感涙の移籍」を実現させたが、その14か月後に彼がいた地はまたしてもロシアだった。フラメンゴで充実した日々を送るはずであったが、フラメンゴが当初計画していたCSKAモスクワ側に支払う移籍金1000万ユーロのうち、実際に支払われたのは600万ユーロのみ。自身の願いとは裏腹に、チームの不手際に人生を左右されてしまった格好だ。ドゥンビア、ネツィドが故障を負っており、CSKAモスクワとしては“当たりの移籍”になる可能性はあるが、本人が再びロシアでのプレーにモチベーションを保てるか否かには注目が集まる。

ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(ヴァスコ・ダ・ガマ→NYレッドブルズ)

毎年コンスタントにビッグタレントが流入するMLSにおいて、最新のワールドタレントがこの「フリーキックの魔術師」である。その技術の高さは37歳となった今でも衰えは見せず、その獲得に成功したNYレッドブルズのアンディ・ロックスバーグも「彼はファンタスティックなプレーヤーであり、ピッチ内外でも立ち振る舞いはまさにプロフェッショナルだ。フィジカルレベルも高く、2013年は大活躍するだろう」と太鼓判を押すように、アメリカのサッカーファンに歓喜と興奮を提供してくれることだろう。

ヌリ・シャヒン(リヴァプール→ドルトムント)

2010-11シーズンのブンデスリーガ最優秀選手が迷走している。ドルトムントの司令塔として抜群の存在感を見せ、鳴り物入りでレアル・マドリーに移籍したが、怪我の影響もあり、その技巧を披露するには至らず。今季はパスサッカーを標榜するリヴァプールに誘われ、レンタルでプレミアリーグに足を踏み入れたが、ここでも満足のいく結果は収められず、今冬に古巣であるドルトムントへの電撃復帰が決定。今回の移籍もレンタル形式だが、「活躍によっては完全復帰もあり得る」とみる有識者は少なくなく、慣れ親しんだ地での汚名返上が期待される。

ダニエル・スターリッジ(チェルシー→リヴァプール)

今冬のイングランドの移籍市場を大きくに賑わした一つが、この男の移籍だ。ロベルト・ディ・マッテオ政権下では高い評価を受け、FWでレギュラーポジションを掴み、プレミアリーグでは30試合に出場して11得点を記録するなど飛躍を果たしたが、今季は急下降。監督交代の影響の煽りを受けるだけではなく、デンバ・バの加入により、その存在感は完全に失せてしまった。「ここは自分が所属した中で最大のクラブ」と語るなど、イングランド代表にも名を連ねるストライカーはこの移籍に大きな希望を抱いているが、この決断が成功であったか否かの結論を出すには時間がかかりそうだ。

ルーカス・モウラ(サンパウロ→PSG)

ブラジル国内で「ネイマールの対抗馬」として着実に頭角を現してきた英才が遂に欧州に上陸。移籍自体は昨夏に移籍金4000万ユーロでまとまっていたが、今冬にチームに合流を果たした。ブラジル代表に招集され始めた2011年頃から列強クラブからの関心が伝えられ、特にマンチェスター・ユナイテッドは具体的なオファーを提示したようだが、彼が選んだ先はフランスのPSG。その移籍には賛否両論があったが、加入直後からレギュラー候補に推されており、おそらく明るい未来が待っていることだろう。

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