セリエA通算得点記録2位まであと3点に迫った偉大なるローマのプリンチペ

昨年10月21日に行われたセリエA第8節、対ジェノア戦でのゴールでセリエA通算得点記録を217に伸ばし、歴代単独3位に立ったローマのキャプテン、フランチェスコ・トッティだが、早くも次なる記録を射程圏内に捉えている。

ズデネク・ゼーマン監督のもと36歳ながら今季ハイパフォーマンスを見せているトッティは、前述のジェノア戦以降、第10節のパルマ戦、第11節のパレルモ戦でそれぞれ1ゴールをマークし、第16節フィオレンティーナ戦ではドッピエッタ(1試合2得点)。さらに第21節インテルとの試合ではPKを成功させ、通算得点数を222に伸ばした。

そのトッティの前にある記録、それは1940年代後半から1950年代後半にかけてミランやローマで活躍したスウェーデン人ストライカー、グンナー・ノルダールが持つ225得点だ。偉大な先人の記録との差は、第22節終了時で3。攻撃的サッカーを展開するローマのチーム状況を考えれば、近くトッティがノルダールの記録に並び、抜く可能性は非常に高いと言える。

通算得点トップのシルヴィオ・ピオラまではあと52点だが、36歳という年齢と毎年10点取ることを考えてもそろそろ厳しくなってきた事は否めない。しかし、トッティはかつて得意なポジションを2トップの後ろとしながらも将来的にはレジスタとしてのプレーを夢見ていると発言していた。ローマのプリンチペは勝利にこだわる男だけに、ポジションを下げて通算得点記録首位を狙ってくれる事を期待したい。

トッティのキャリアを振り返ると、セリエAデビューした1992-93シーズンから昨季までの20シーズンで二桁得点を12回記録。中でも2002-03シーズンから2009-10シーズンまで9シーズン連続で二桁得点を記録しているのは特筆すべき事実といえるだろう。サッカー選手は30歳を超えたあたりから衰えを見せ始めるが、トッティは30歳を過ぎても二桁得点をキープ。2006-07シーズンには30歳にして得点王に輝いている。

セリエA通算得点ランキング
ランキング名前国籍主な所属ゴール数得点率
1 シルヴィオ・ピオラ イタリア ラツィオ、ノヴァーラ 274 0.51
2 グンナー・ノルダール スウェーデン ミラン、ローマ 225 0.77
3 フランチェスコ・トッティ イタリア ローマ 222 0.43
4 ジュゼッペ・メアッツァ イタリア インテル 216 0.59
5 ジョゼ・アルタフィーニ ブラジル ミラン、ナポリ 216 0.47
6 ロベルト・バッジョ イタリア ユヴェントス、ブレッシャ 205 0.45
7 クルト・ハムリン スウェーデン フィオレンティーナ 190 0.48
8 ジュゼッペ・シニョーリ イタリア ラツィオ、ボローニャ 188 0.54
8 アレッサンドロ・デル・ピエロ イタリア ユヴェントス 188 0.39
10 ガブリエル・バティストゥータ アルゼンチン フィオレンティーナ、ローマ 184 0.58
11 ジャンピエロ・ボニペルティ イタリア ユヴェントス 178 0.4
12 アメデオ・アマデイ イタリア ローマ 174 0.41
13 ジュゼッペ・サヴォルディ イタリア ボローニャ、ナポリ 168 0.41
14 アントニオ・ディ・ナターレ イタリア ウディネーゼ、エンポリ 167 0.48
15 グッリェルモ・ガベット イタリア トリノ、ユヴェントス 165 0.51
16 ロベルト・ボニンセーニャ イタリア インテル 163 0.45
17 ルイージ・リーヴァ イタリア カリアリ 156 0.54
17 フィリッポ・インザーギ イタリア ミラン、ユヴェントス 156 0.42
17 ロベルト・マンチーニ イタリア サンプドリア 156 0.29
20 ルイス・ヴィニシオ ブラジル ナポリ、ヴィチェンツァ 155 0.45
20 カルロ・レグッツォーニ イタリア ボローニャ 155 0.39
20 アルベルト・ジラルディーノ イタリア パルマ、フィオレンティーナ 155 0.39
*データはWikipediaより 主な所属クラブは所属シーズンや得点数などを見て記載

なお、現役選手でセリエA通算得点記録上位20位圏内にランクインし、今季セリエのクラブでプレーしているのは3位フランチェスコ・トッティ(ローマ)のほかに、14位アントニオ・ディ・ナターレ(ウディネーゼ)、20位アルベルト・ジラルディーノ。彼らもまたさらに上の記録を狙うことが可能な数字だ。

また、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フィリッポ・インザーギ、ジラルディーノ、そしてトッティと2006年のワールドカップ優勝メンバーがベスト20に4名ランクインしていることは、守備的だと言われるイタリア代表が如何に優れたアタッカーを抱えてワールドカップを制覇したかを証明している。

もちろん、スクデット争いは最大の注目点ではあるが、個人記録に注目するのもまたカルチョの楽しみ方のひとつ。このあとローマは、現地時間2月1日に直近のリーグ戦、第23節カリアリ戦を控えている。現在リーグ15位のクラブを相手に、トッティが本拠地オリンピコで爆発したならば、今週末にも歴史的瞬間を目撃できるかもしれない。

(筆:Qoly編集部 Y & L)

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