“国民の英雄”を救うための支援に名乗りをあげる現役選手たち
アルコール依存症に苦しむ元イングランド代表MFポール・ガスコインの救済に、アーセナルMFジャック・ウィルシャー、チェルシーDFジョン・テリーも名乗りを挙げた。
かつての天才MFは現役引退後アルコール依存症に苦しんでおり、先週末からアメリカへ渡り依存症の治療を受けている。45歳のガスコインはアリゾナのクリニックに選手から入っている。
「できることがあれば何でもしたい」と語ったのはアーセナルのウィルシャーだ。ウィルシャーは『The Sun』に対して以下のように語っている。
「彼はサッカーを変えたし、彼は感動を与える選手だった。僕は父と共に1990年のイタリアワールドカップにおけるガッザのビデオを見て育ったんだ」
「今回の挑戦で彼のためにできることがあれば何でもしたい」
元イングランド代表キャプテンのジョン・テリーも同様にコメントを行なっており、ガスコインを「国民的ヒーロー」と評している。
「1990年のイタリアワールドカップで、ガッザは自分、そして国民のヒーローになった。彼のパフォーマンスとプライドは彼を際立たせたし、成長期において彼のプレーを楽しんで見ていたよ」
「イングランド史上最高の選手の1人が回復する道のりの手助けをしようじゃないか」
ガスコインは資金的にも困窮しており、元イングランド代表FWギャリー・リネカーを中心に寄付が集められており、元代表FWのアラン・シアラー、マンチェスター・ユナイテッドFWウェイン・ルーニー、リヴァプールMFスティーヴン・ジェラード、チェルシーMFフランク・ランパードらが既にガスコインの治療の為の寄付を行なっている。また、かつて所属していたラツィオのクラウディオ・ロティート会長も援助する意思があることを表明している。
10年以上ガスコインの治療に携わっている心理療法士のジョン・マクキューンは以下のように現在の状況を語っている。
「ポールは重い合併症にあった。これは彼と同じくらいお酒を呑む人であっても普通ではないことだ」
「ポールは生命に関わる合併症は無くなったのでしっかりと監視する為にアメリカのクリニックから地元病院へ移された」
「彼は現在も治療を受けているが、病院から起き上がり歩いていると聞き受け安心している。定期的に状況を報告することで皆さんからの関心をキープしようと思っている」
1990年のワールドカップの活躍でイングランド代表史上最も才能のある選手として認められたガスコイン。地元のニューカッスルでキャリアをスタートさせた後にトッテナムへ移籍。そしてイタリアへ渡りラツィオに加入。当時イングランドの選手が国外へ出る事はあまりなく珍しいケースであった、その後はレンジャース、ミドルスブラ、エヴァートンなどを渡り歩いている。稀代の名選手であっただけに一刻も早い立ち直り、再びフットボールの世界に影響をもたらして欲しい。
(筆:Qoly編集部 L)