チェルシー新監督就任が決定的と言われるジョゼ・モウリーニョ。しかし、マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソンの勇退が決まった事でユナイテッドの指揮官になる噂が再浮上しており、これまで報じられてきたチェルシー復帰の行方が不透明になりつつある。どのように英国で報じられているのかご紹介しよう。

まず、チェルシー復帰が濃厚である理由を『Mirror』が報じている。モウリーニョはチャンピオンズリーグ敗退によりレアル・マドリー退団に向かっており、現在はチェルシーでの2度目の指揮に向かってプランを練っている最中であるという。特に副官候補の模索に注力しているようだ。モウリーニョは自らに忠誠を誓ったチームを持っているが、アシスタント・マネージャーは自らが働く国から選ぶことを好んでいる。「第一次政権」では、スコットランド人のスティーヴ・クラークをアシスタントに据えていたが、クラークは現在ウェスト・ブロムウィッチで監督を努めている。

「第二次政権」において副官候補として有力視されているのは、元ブラックバーンの指揮官であるスティーヴ・キーン。45歳のキーンは昨年ローヴァーズがプレミアリーグから降格した事で辞任を余儀なくされており、新しいクラブを探している状況にある。モウリーニョはキーンの入閣を望んでいるという。これらの情報が再燃した「ファーガソンの後継者」という噂を沈静化させる流れだ。

しかし、『Daily Mail』は、モウリーニョのチェルシー行きが保留状態にあると報じている。これはチェルシーのロマン・アブラモヴィッチオーナーがレアル・マドリーの指揮官とそのスタッフの契約についての売却条項の支払いに応じるのを拒んでいる事に起因しているようだ。

アブラモヴィッチは2006年にモウリーニョとそのスタッフを解雇した際に違約金として1800万ユーロを支払っているが、今回、レアル・マドリーと契約中のモウリーニョを引き抜くとなれば、レアル・マドリーへの補償金として2000万ユーロが必要になる。アブラモヴィッチは望んでおらず、モウリーニョのスタンフォード・ブリッジ復帰の噂は数多く流れてはいるが、未だ発表に至っていない要因となっているようだ。そして、この状況がオールド・トラッフォードの赤い悪魔に有利に働くのではないかと『Daily Mail』は報じているのだ。

レジェンドのオーレ・グンナー・スールシャール、やロイ・キーン、そして以前から根強く噂されているエヴァートンのデイヴィッド・モイーズやドルトムントのユルゲン・クロップなどがファーガソンの後継者として名前が浮上しているが、スタンフォード・ブリッジの行きのフライトに乗りかけたポルトガル人指揮官が、行き先を電撃的にマンチェスターへと変える可能性はまだ否定できなさそうだ。

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