今シーズンのプレミアリーグが幕を閉じて早くも1週間が経った。マンチェスター・ユナイテッドが果たしたリベンジ、最後まで白熱したチャンピオンズリーグ出場権を巡る争い、空中分解が伝えられたQPRの降格、日本人選手の活躍など、今シーズンも大小様々なトピックスがサッカーファンを賑わせた。

そこで、今回の当コラムでは今シーズンのプレミアリーグを彩った選手たちを筆者の独断と偏見によって選出し、ベストイレブンという形で3回に渡って表彰したいと思う。また、惜しくも次点となってしまった選手も紹介することで、今シーズンの”メインキャスト”を総括していきたい。

premier best11

上図は筆者が選んだベストイレブン(今回はゴールキーパーと最終ラインのみ)である。早速、当該選手の選考理由と次点の選手を紹介していこう。

 

<ゴールキーパー部門>

最優秀:ダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)

選考理由:課題とされているハイボールへの対応に不安を残し、序盤戦はアンデルス・リンデゴーと併用されるなど、アレックス・ファーガソン監督から絶対的な信頼を得ることができていなかった。だが、試合を重ねるごとに安定感を身に付け、特に至近距離のシュートストップに凄みを見せた。デビット・モイーズ新監督の下でどのような成長曲線を描けるか注目だ。


次点:ペドル・チェフ(チェルシー)

選考理由:監督交代に揺れた今シーズンのチェルシーにおいて、コンスタントな活躍を見せた守護神。デ・ヘアと比べると派手さはないものの、安定感のあるセービングは流石の一言だった。新監督(ジョゼ・モウリーニョの可能性が高いと噂されている)にもこれまでと同様にチェルシーのゴールマウスを任せられるだろう。

 

 

<右サイドバック部門>

最優秀:パブロ・サバレタ(マンチェスター・シティ)

選考理由: 全体的にピリッとしなかった今シーズンのシティ。その中で気を吐いたのがこのアルゼンチン代表だった。積極的なオーバーラップで攻撃に厚みを持たせると、守備の局面でも集中して相手アタッカーに対応していた。ヴァンサン・コンパニの不在時にはキャプテンマークを巻いて出場するなど、チームリーダーのひとりとしても活躍。


次点:カイル・ウォーカー(トッテナム)

選考理由:昨シーズンの鮮烈な活躍が印象的だった成長株は、注目されて迎えた今シーズンも優れたパフォーマンスを披露。継続性を身に付けたことで、サイドバックとしてのランクが一段階上がった印象だ。イングランド代表でも定位置を掴むのは時間の問題だろう。

 

<センターバック部門>

最優秀:リオ・ファーディナンド(マンチェスター・ユナイテッド)

選考理由: 一時代を築いた希代のセンターバックも、今シーズンは肉体的な衰えを隠すことができず、特にスピードを武器とするアタッカーに振り切られるシーンが散見された。だが、その弱点を豊富な経験と鋭い読みでカバー。近年は怪我がちで「限界説」も囁かれていたが、熟練のディフェンスで外野を黙らせることに成功した。


最優秀:ヤン・ヴェルトンゲン(トッテナム)

選考理由:加入一年目とは思えないハイパフォーマンスを連発したのがこのベルギー代表。プレミアの水に即座に馴染むと、的確なつなぎでビルドアップに貢献し、積極的な攻め上がりでチームの攻撃にアクセントをつけた。本職ではない左サイドバックとしても印象的な活躍を披露し、その名を轟かせた。


次点:フィル・ジャギエルカ(エヴァートン)

選考理由:堅守速攻を標榜するエヴァートンに欠かせないディフェンスラインの大黒柱。フィジカルに恵まれている訳ではないが、鋭い読みとポジショニングの良さで相手アタッカーを封殺するクレバーなタイプのセンターバックだ。アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督が獲得に執着していることからも、実力がうかがい知れる。


次点:アシュリー・ウィリアムズ(スウォンジー)

選考理由:スウォンジーの躍進を後方から支える隠れた実力者。ハードなディフェンスに加え、ビルドアップ能力も高く、最終ラインからパスを徹底的につなぐスウォンジーにとって不可欠な存在であると言える。キャプテンシーにも溢れており、その実力は高く評価されている。リヴァプール、アーセナルが引き抜きを画策しているとの噂だ。

 

<左サイドバック部門>

最優秀:レイトン・ベインズ(エヴァートン)

選考理由:左足から放たれるクロスはまさに「一級品」。リーグ戦全試合でスタメン出場を果たすなど、シーズンを通して攻守に安定したパフォーマンスを披露した。最早パトリス・エブラ(マンチェスター・ユナイテッド)やアシュリー・コール(チェルシー)を超えたといっても過言ではないだろう。


次点:パトリス・エブラ(マンチェスター・ユナイテッド)

選考理由:最優秀のベインズと同じく安定感があったフランス代表。ネマニャ・ヴィディッチの不在時にはキャプテンを任されるなど、チームリーダーとして優勝に多大なる貢献を果たした。セットプレーを叩き込むゴールも多く、ちょっとした得点源としても活躍。

以上がゴールキーパーと最終ラインの人選である。ひとつのコラムにまとめたかったところではあったが、どうしても長くなってしまうので、ミッドフィルダーとフォワードの人選は次回以降に回したいと思う。次回の「プレミアリーグ、2012/13シーズンの”メインキャスト”」に乞うご期待!

2013/5/27 ロッシ

※vol.2はこちら


筆者名:ロッシ
プロフィール:エル・シャーラウィ、ネイマール、柴崎岳と同世代の大学生。鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、ビジャレアルを応援しています。野球は大のG党。
ツイッター:@antelerossi21

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