PFA(プロサッカー選手協会)のチェアマンを務めているクラーク・カーライル氏は「多くの選手がうつ病に苦しんでいる」と話した。
ブラックプールの下部組織で育成され、1997年にプロ選手となったカーライル。しかし2000年から所属したQPRで十字靱帯を断裂する大怪我を負い、それをきっかけにアルコール依存症となって精神を病み、自殺を試みた経験も持っている。
学業でも優秀な成績を収めておりインテリとしても知られていた彼は、今年現役を引退し、2010年から務めているPFAの会長職に専念している。
彼はデイリー・メール紙の取材に対し、多くの選手が精神に問題を抱えていること、彼らの治療が必要であることを訴えた。
デイリー・メール
クラーク・カーライル PFAチェアマン
「私は、うつ病に苦しんでいる多くの選手がいるだろうとはっきり言える。社会では4人に1人が精神的な問題を抱えており、サッカー選手も例外ではない。
サッカーに従事するに当たっては、多くの不本意なことがあるし、多くの男たちに監視されるような生活が待っている。
PFAのチェアマンになってから、これまで15~20人ほどの選手がこのように訴えてきた。
『自分は何か間違いを犯したのだろうか。これから何をすれば良いのか、どこに行けば良いのか、全く分からなくなってしまった』とね。
彼らは皆、自分がサッカーをやめたい、このシステムの中から抜け出したいと思っていることを自覚しているんだ。こういうものを過小評価することはできない。
自殺を試みた当時の私も、自分の命を絶つことが皆にとって最良であり、最も迷惑の掛からない解決方法だという理解をしていた。支援が欲しいからやったわけじゃなかった。
近所の小さな公園で錠剤を飲み、映画の一場面のような劇的な結末が訪れることを期待していた。
しかしそれが実現しなかったから、僕は冷静な状態に戻ろうとすることができた。何か他のことをして、睡眠を取り、仕事をしようと。
恐ろしい体験だった。本当に恐ろしい。あのときの自分の心境を思い出すたび、寒気に襲われるほどだ。
自分の経験や知識から言えば、大多数の薬物乱用、アルコール依存は、精神的な問題に起因して発生するものだ。
私も、自分の心の状態を何とか変化させるためにアルコールに溺れ、中毒になった。一般的によく起こりうる不幸な事件だと思う。
今、私は治療を受けており毎朝薬を飲んでいる。精神安定剤ではない。しかし、それが心のバランスを保ってくれる」