初めてコラムを書かせていただく小川裕一です。これから試合の流れだけでなく選手個人に注目した文章を書いていきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。


日本サッカー協会(JFA)は15日、20日から韓国で行われる東アジア杯に挑む日本代表23人を発表した。国内組のみで組まれたこの代表では初召集10人とフレッシュな顔ぶれが揃い、ブラジルW杯前最後の国際大会ということもあり、国内組にとってはまさにW杯出場のキップをかけた最後の戦いとなるかもしれない。ザッケローニ監督はここまで海外組を中心としたほぼ同じメンバーで戦ってきており、この代表に割って入りW杯出場を勝ち取ることのできる選手は多くて数名程度だろう。ではこの東アジア杯のメンバーで誰が勝ち残ることができるだろうか。

現在の日本代表で特にテコ入れが必要とされるポジションは2つ。CFとボランチである。実際東アジア杯のメンバーでもその二つのポジションは本来必要とされる人数よりも多く選出されており監督の期待がうかがえる。そこで今回はこの2ポジションから考えることとする。

ではまずはCFから。国内組からは豊田,工藤,大迫,柿谷の4選手が選出されている。ザック代表下のCFには大きく2つの役割が求められている。香川,本田ら日本の最大の長所である2列目の選手にスペースを与えるために相手のディフェンスライン内でのボールを引き出す動きでラインを下げさせ、くさびを正確にキープしポストをこなす役割が一つ。もう一つは本田らとの連動した動きで前線からプレスをかけるファーストディフェンダーとしての役割である。現在代表でレギュラーを務めている前田はこの二つの役割を十分にこなすことができるが、今季16節終了時点で4得点と深刻なゴール不足に悩まされており、ハーフナーは特に後者での貢献度が薄い。

この役割をこなすことができるのは豊田,工藤,大迫の3選手であろう。この3選手はいずれも2つの役割を高いレベルでこなし、リーグでも得点を積み重ねていることから納得の選出と言えるが、そのなかでも特に可能性が高いのは豊田ではないかと考えている。オフザボールの動きも前田と遜色のないレベルであり、なによりもフィジカル面での優位がある。今までは動きの質に期待しての前田、高さに期待してのハーフナーなど役割が分かれていたが、豊田ならその両方に期待できるのではないだろうか。工藤,大迫のほうがスピードや将来性の面では分があるが、高さや強さがありすぐさま今の代表に適応できるのは豊田ではないか。

柿谷をCFで使う場合には異なった役割を求める必要がある。彼にはゴールに背を向けるポストプレーではなく前を向いてプレーさせたい。そうなると戦術から変更する必要があり、W杯まで1年を切った今ではスーパーサブ、もしくはトップ下やサイドでの起用が現実的だろう。

次にボランチ。東アジア杯のメンバーでボランチを務める選手は山口蛍,扇原,高橋秀,青山,柴崎の5人。(※19日柴崎は体調不良のため辞退することを発表した。)現在不動のレギュラーとして遠藤,長谷部が君臨しているが、彼らの控えとなれる選手が決定的に不足していることからこのポジションの選手がW杯に出場する可能性はおおいにあり得るだろう。

上記の5人から遠藤の代役となれる選手は扇原,柴崎あたりか。遠藤は広い視野と正確な長短のパスでゲームを組み立てるゲームメーカーだが、扇原はより縦パスの意識が強く長いパスの頻度が高い。多少無謀な場面でもくさびを狙う点は改善の余地ありだが、広い視野と展開力では遠藤の後継となれる素質があり、184cmのサイズも魅力。柴崎も広い視野と展開力が持ち味だが、中盤からの飛び出しで得点に絡む形やベテラン選手のような落ち着きも備えている。すでに代表招集の経験のある柴崎に一日の長が認められるが、この2選手にはブラジルW杯のキップを勝ち取る可能性はあると言えるだろう。

長谷部のポジションには何よりも攻守のバランスが求められる。この点で山口,高橋,青山の3選手が考えられ、山口には豊富な運動量やアプローチの速さ、対人の強さなどの守備能力だけでなく攻守の切り替えや攻撃面の貢献も望めることからこのポジションにふさわしい選手と言えるだろう。青山には運動量や鋭い読み、正確な足元の技術やフィード力など現在の長谷部と同様の仕事が望むことができる。高橋は守備時のポジショニングが絶妙であり、そこから攻撃につなげるシンプルな展開が持ち味。いずれもこのポジションを担いうる選手だが、年齢的な将来性から山口,代表経験から高橋により可能性が高いのではと考えた。

ここでの意見はあくまでも筆者の意見であり、みなさんの自分なりの意見や感想を尊重したい。上記の2ポジション以外からもブラジル行きのキップをつかむ選手が出る可能性は大いにあり、だれが今後代表に割って入るかを考えながら東アジア杯を観戦してみてはいかがだろうか。


 

筆者名:小川裕一

プロフィール:試合全体の流れだけでなく選手個人に注目したい。FCバルセロナを中心に書いていきます。あまり現地観戦しませんがロンドン五輪をウェンブリーで見ました。自称クレのバルサ好き。
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