来年ブラジルで開催されるW杯の欧州予選はいよいよこれから佳境を迎える。来月再来月の予選結果により9つあるグループの首位チームの本選出場がまずは決まり、その後のプレーオフでさらに出場4か国が決定される。

各チームが予選突破に向けて鎬を削るなか、ドイツ・オーストリア・スウェーデン・アイルランド・カザフスタン・フェロー諸島の6各国が争うグループCもなかなかの混戦模様となっている。6戦全敗で出場の可能性が消えた最下位フェロー諸島、勝ち点1で首位通過の望みが無くなったカザフスタンを除く4チームが競り合う様相で、無敗のドイツが勝ち点16で首位に立っているが、その他3チームが勝ち点11で並んでいる。そして来月6日、同勝ち点で並ぶ3チームのなかでアイルランドとスウェーデンがダブリンで激突する。

そんななか、どうしてもこの試合を見逃せないとアイルランドファンの男性がある行動を起こしたようなので、現地情報などを集約してお伝えする。


 

アイルランドの首都ダブリンの出身で現在はオーストラリアはシドニー在住のITディレクター、デイヴィッド・フィーニーさんは母国とスウェーデンの一戦がオーストラリアでTV放送されないことに失望したという。そこで、思案した彼は自分自身で放映権を買うことを決断。まずは母国アイルランドで放送関係に関わっている友人に連絡を取った後、(海外向けの)放映権を所有するドイツのメディアカンパニー『Kentaro』に対し、入札を行ったそう。

「彼らは私の入札額は低すぎるが、近いところだと言ったんです。そして、私が入札額を上げると、彼らはOKだと言いました」ということで見事放映権を手に入れたフィーニーさん。(入札については「私のオファーは割合低いものでした。でも、それがどのくらいコストがかかるのが私には全く分かりませんでした。彼らは戻ってくると、OKと言ったんです」という報道も)

「エティハド航空やエミレーツ航空にお金(旅費)を払うことなく、自ら(の気持ち)を一時的に母国に戻せる機会をみんなに与えることにしたんです」と語ったというフィーニーさんはアイルランドファンの同胞たちもこの試合を観戦できるようにと、その後、地元の競馬チャンネルの協力(契約?)も取り付けることにも成功。その結果、スウェーデン戦はフィーニーさん自前の“Channel 33”として〔閉回路テレビシステム(指定したモニターに接続するシステム)を通じて?〕、シドニーやブリスベン、ダーウィンやアデレードのスポーツバーやカジノ、メルボルンにあるセルティック・クラブなどいくつかの会場で7日の早朝午前4時45分から流される予定になったんだとか。(無料で視聴できるかは不明)

さらに、この試合をオーストラリア以外にもニュージーランドや太平洋諸島でもテレビ放送できないか交渉してるそう。

オーストラリアに移住して15年以上が経つというフィーニーさんがここまでするに至った理由は今年3月まで遡るという。3月26日にダブリンで行われたアイルランド対オーストリア戦は土壇場でオーストリアが同点に追いつくという白熱の試合(2-2)だったが、フィーニーさんはこの試合をTV観戦できずにインターネットラジオで聞くしなかったことに狂いそうだったそう。「そのとき思ったんです。そうか、僕が見てはいけないってわけじゃない。で、TV放映権を買うことにしたんです」

また、フィーニーさんは9月10日に行われるウクライナ代表vsイングランド代表(グループH)戦の放映権もおさえたという。

正確な数字は口にしていないものの「何万ドル」かかったという放映権購入のためにフィーニーさんは自宅を担保して資金を調達(借金)したそう。フィーニーさん曰く、この放映権獲得の過程で最も説得するのが難しかったのは妻のレズリーさんだったそうで、「抵当証書には僕ら2人の名前があるんです。彼女にこのアイディアを話した時、彼女がとても熱心だったとは思いません。でも、もしうまくいったら、将来的により多くを得られることを願っています」、「彼女はちゃんと説得するのが最も難しかった。でも、僕らは合意に達したんです。もし今回の冒険でお金が入ったら、彼女の取り分になるってことでね」と話したという。

テクノロジー/テレビとスポーツに対し情熱をもつというフィーニーさんは自身のことを「ジェリー・マグワイア(映画『ザ・エージェント』で主役のトム・クルーズが演じたスポーツ・エージェントの役名)のようなタイプ」だとしつつ、 「自分が試合を見ることを確実にするため高くついた行為になりました。たぶんお金を失うことになるでしょう。もし五分になるのなら、それで満足です」、「(放送当日は)全てが順調にいっていることを確かめたい。そして、きっと私はナーバスになっているでしょうね」と話したという。

フィーニーさんの"Channel33"のTwitterは こちらhttps://twitter.com/Channel33_Aus
"Channel33"のウェブサイトは こちらhttp://www.channel33.com.au/

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