夏の移籍市場が混乱の中幕を閉じ、来週からはチャンピオンズリーグが始まるなど欧州サッカー界はついに新しいシーズンが本格化する。
既に激闘のスタートしているプレミアリーグだが、『CAUGHT OFFSIDE』は昨季の上位クラブが獲得すべきだった選手として5人づつの名前を列挙しているのでご紹介しよう。今回はギャレス・ベイルの売却に成功し、大量に選手を補強する事に成功したトッテナム編。
ファビオ・コエントラォン (レアル・マドリー)
スパーズの課題の1つである左サイドバックの補強としてレアル・マドリーのポルトガル代表は理想的な選手になると思われていた。コエントラォンはマンチェスター・ユナイテッドも興味を持ち、移籍市場閉鎖直前に獲得にトライしたが失敗している。コエントラォンはギャレス・ベイルの移籍の一部となると噂されていたが、結局は実現しなかった。トッテナムもまだ諦めておらず1月の移籍マーケットでの獲得競争が気になる所だ。
ルーク・ショウ (サウサンプトン)
コエントラォン同様に左サイドバックを埋める人材としてイングランドで最も期待を集める若き左サイドバックもリストアップされている。弱冠17歳という年齢でプレミアリーグデビューし、セインツのファーストチームでのプレーし続けた事でヤングスターの評価は急上昇している。かつてはギャレス・ベイルもセインツの本拠地、セント・メアリーズ・スタジアムでキャリアをスタートさせており、ショウが偉大な先輩の後を追う可能性も充分にあるだろう。マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、そしてアーセナルも獲得を望んでいると噂されているが、スパーズがショウの獲得に成功すれば次の10年は安心して左サイドを任せる事ができるだろう。
フッキ (ゼニト)
ロシアでの生活を楽しんでいないこと思われていたフッキ。予想通り夏の移籍マーケットでの注目株として移籍の可能性が取り沙汰された。トッテナムが獲得を狙っていると噂され、再びポルト時代の指揮官とタッグを形成すると噂されたが、スパーズが選択したのはフッキではなくエリック・ラメラ、クリスティアン・エリクセンという若きアタッキングプレーヤーたちだった。フッキは既に27歳。前述の彼らはこれから成熟して最盛期を迎えるが、フッキは既に最盛期を迎えている。しかし結局の所は移籍金がフッキの移籍を阻んでいる。ゼニトは昨年の夏に5000万ポンドでフッキを獲得しているだけにローン移籍であっても1000万ポンドを要求している。
ダビド・ビジャ (アトレティコ・マドリー)
バルセロナでのビジャの将来が不透明となった時、トッテナムが最も理想的な移籍先と思われていた。しかしながらビジャが選択したのはアトレティコ・マドリーへの移籍。しかもバーゲン価格というべき420万ポンドである。確かにビジャは32歳を迎える年齢ではあるが、多くの実績を残してきたスペイン代表FWの移籍金としては非常に安かったのは言うまでもない。スパーズはロベルト・ソルダードという素晴らしいFWを獲得している。ソルダードはクラブの前線にとって長い目で見て解決策となるのは間違いない。しかしそのパートナーとして選ぶ選手は昨季不振に終わったジャーメイン・デフォーとエマヌエル・アデバヨールという状況にある。ビジャは世界で最も優秀なフィニッシャーの1人。上記の金額であれば短期の投資としてもバックアップの選手としても問題はなく、ソルダードとスターティングラインナップを争う選手となっていただろう。
レアンドロ・ダミアオン (インテルナシオナウ)
昨年の夏も、1月の移籍マーケットでも、そしてこの夏の移籍マーケット。トッテナムは3度目の正直を達成する事なくマーケットは終了した。インテルナシオナウとの駆け引きに終始し、24歳のストライカーの欧州上陸はまたしても見送られた。ダミアオンはインテルナシオナウで149試合で83ゴールを奪っており、ゴール前でのフィニッシャーとして提供のある選手だ。もしスパーズが彼とソルダードという選択をしていれば、本当に恵まれた素晴らしい攻撃陣を形成していただろう。なぜ獲得できなかったのかは明らかになっていないが、噂されているのはトッテナム側がインテルナシオナウとの交渉に不満を募らせた事があるといわれている。インテルナシオナウは移籍金を求めてトッテナムとナポリを両天秤にかけていたからだ。両クラブにはベイル、カバーニという大金になる選手がいたため、インテルナシオナウは巨額の移籍金を引きこもうと駆け引きを続けていた。今回は見送られたダミアオン獲得だが、以前として獲得候補であることは間違いないだろう。