「スペインの2強」と言えばバルセロナとレアル・マドリーを置いて他にないが、最近この2チームに割って入ろうとしているのが、元アルゼンチン代表MFディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコ・マドリーである。
シメオネ監督は2011-12シーズン途中、グレゴリオ・マンサーノ監督の後任として古巣の指揮官に就任。1年目からヨーロッパリーグを制すと、2年目の昨季はUEFAスーパーカップとコパ・デル・レイを制覇。今季も先月28日、アウェイでのダービーマッチでレアル・マドリーを撃破し、バルセロナとともに開幕7連勝を達成している。
CLでもゼニト、ポルトという国内王者相手に2連勝を飾っている彼らだが、最近の試合で目立つのが、このトリックプレー。
9月14日のアルメリア戦。さらに10月1日のCLポルト戦でも・・・。
ゴール前の絶好の位置でのフリーキックで、意表を突くパスからゴールを奪うアトレティコの選手たち。指揮官がシメオネということから、あるゴールを思い出すサッカーファンも少なくないはずだ。
日本がW杯初出場を果たした1998年のフランスW杯において、大会ベストゲームの一つに数えられる決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン対イングランド。シメオネの挑発にキレた若きベッカムが退場した試合としても知られているが、この試合で2-2に追いついたアルゼンチンの同点弾がこちら。
ベロンのパスから、当時も現在もインテル所属のサネッティがゴール。そのトリックプレーは、まさに最近のアトレティコと同じである。シメオネ監督はこのプレーの有効性をよく知っているのだろう。
今季、バルサとのスーパーカップで2度引き分けた以外はいまだ全勝中のアトレティコ。今週末は6日にセルタとホームで対戦する。