今日本中を、いや、世界中を寒波が襲っているらしい。連日のようにテレビのニュース番組からは「気温記録の更新をした」という報道が飛び交い、濡らしたタオルや洋服を番組レポーターが外で振り回し、凍らせ、いかに外が寒いかというものを伝えるというお決まりのことをやっている。それを見るたびに私は外の寒さと日本の平和さをちょっぴり感じるのだ。そんなテレビを見ていた先日とあるニュースを目にした。連日の記録的な寒さを考慮し、とある動物園で動物たちがストーブで暖をとるというニュースである。

元々はお客さんに用意したものだったが動物が集まってきてしまい今では動物用となったらしい。動物園の動物も我々、人間同様に凍える日にはストーブの暖かさを求めているようだ。

さて、多少強引ではあるがストーブ繋がりでいくとこの時期にスポーツファンあるいはサッカーファンが待ち望むのは“ストーブ”リーグの情報や噂話だろう。

そもそも、ストーブリーグとは野球界に由来がある。

寒さが続くこの時期は野球界はオフシーズン。シーズンが休みの為にネタのない記者やファンがストーブを囲みながら新シーズンに向けて「あの○○はあのチームへと移籍するらしい」と移籍や契約に関する噂話をする様からこの時期のことをストーブリーグと呼ぶようになり、それはいつしか様々なスポーツで使われるようになっていった。ちなみに夏場のことはビーチサイドリーグなどと呼ぶこともあるらしい。

さて、日本は今ストーブリーグの真っただ中にあるわけだ。ここはサッカーに関するサイトだからMLBに挑戦する投手の話などは避けることにするとして、今シーズンここまでのJリーグストーブリーグはあるクラブが中心になっているという印象を受ける。

ヨーロッパのこの時期の移籍に比べ、新シーズンを迎えていない日本への移籍は求められるものが違ってくる。今すぐにでもチームへとフィットする即戦力性というよりも、キャンプなどでの開幕までの時間を考えるとチームの継続してきたことにプラスαで何か違うことが出来る選手が求められ、結果は重要であるが、結果以上に内容がポイントになる場合が多い。そして、もちろん話題性も加味される。それは経営的な面から見ても少なからずは必要とされるポイントだ。そういった意味で今季も浦和レッズはストーブリーグの中心にいると見て良いのではないだろうか?

昨年の森脇に続き、サンフレッチェ広島から西川周作を獲得。さらには宿敵である大宮アルディージャから青木拓矢も獲得。3連覇の可能性とアジアチャンピオンズリーグ出場権を持っていた広島と同じ街の宿敵からの戦力補強を積極的に行い、さらにはイングランド・サウサンプトンから李忠成の補強も合意に達し、浦和レッズがやはりストーブリーグの中心にいることは間違いない。ここまでのストーブリーグチャンピオンといっても良いだろう。

ここ数日、Jリーグサポーターをドキドキさせているのは1人のウルグアイ人の動向だろう。

もし、ディエゴ・フォルランが噂されるセレッソ大阪への移籍が叶った場合、当然Jリーグに初めてワールドカップでMVPと得点王の両方を手にしたプレーヤーが移籍してくることになるわけだ。しかも、ワールドカップが行われるシーズンに。そうなればセレッソは間違いなく今シーズンのストーブリーグチャンピオンとなる。しかしまだ、正式発表はないし、ブラジルでは複数クラブが狙っているという報道もされているようだ。

世界中を襲っている寒波は1月いっぱいいるらしい。ストーブはもう少し必需品となりそうだ。フォルランの移籍話を含めたJリーグストーブリーグも今月いっぱいは我々を楽しませてくれそうなのでストーブの前で移籍話を楽しもう。


筆者名:羽澄凜太郎

プロフィール:現在ロンドン留学中。1993年1月25日生まれ。東京都多摩市出身。小学生の時は野球少年であったが小学6年の時に生で見たレアル・マドリーの面々に感動し、本格的にサッカーを好きになる。

中学卒業頃からライターを志すようになり、高校卒業後、専門学校東京スクールオブビジネスに入学。そこでマスコミやライター、編集などのノウハウを2年間学ぶ。


ツイッター:@randyrin

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