先日8日のJ1第2節浦和レッズ対サガン鳥栖戦で起きた出来事については、すでに多くにメディアが伝え各方面で大きな話題となっている。
3月8日Jリーグ浦和レッズ対サガン鳥栖におけるサポーターによるコンコース入場ゲートでの横断幕掲出について #urawareds http://t.co/wOTYhxbh3M
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2014, 3月 13
3月23日の無観客試合について #urawareds http://t.co/iJO3Y9OfOD
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2014, 3月 13
今回の騒動を受け、Jリーグは譴責と無観客試合の開催を決定。Jリーグの歴史上初めて、観客が1人もいない状態で試合が行われることが決定した。
人種差別という意識がそれほど根強いわけではない日本で起きたこの悲劇は、海外でも伝えられはじめている。きわめてクリーンなイメージのあるJリーグだが、意外な形でその評価を落とすことになってしまった。
そんな人種差別問題に対して、今世界中が撲滅に取り組んでいる。今回は、人種差別が未だ根強いイングランドでの取り組みをご紹介しよう。
イングランドサッカー協会(FA)は現地時間17日、差別的行為の撲滅を呼びかけるVTRを公開し、選手たちに差別を受けた際の行動について説明している。
驚くべきは、FAの差別に対する厳格さだ。なんと、「その差別的言動がTwitterやFacebookの上であっても、是非報告してほしい」というのである。
FAによれば、差別的行為や発言に対しては、選手やファンに「報告」の徹底を要求しており、ピッチ上での行為からソーシャルネットワーク上でのものまで厳密に対応するという。
【Reporting Discrimination campaign by FA】
FAは全ての差別的行為の撤廃に対して尽力を尽くします。なぜなら、フットボールは全ての人のためにあると信じているからです。
しかし、それには皆さんが手助けが必要です。
もしピッチ上や練習場、また観客席で差別的行為を見聞きしたら、ご報告をお願いします。
TwitterやFacebookといったWebサイトでそういった言葉を見聞きした場合でも構いません。ご報告ください。そのご報告が私たちがポジティブな行動をとるのに役立つからです。
プロやセミプロの試合中であれば、主審や運営スタッフにただちに報告してください。誰が、何を、いつ、ピッチのどこで、これだけで結構です。
もし差別的な発言が確認された際、審判はレッドカードの提示といった迅速な行動を取ることができるということを覚えていてください。
また、もし審判がそれを確認できなかったとしても、審判はその選手に話しかけることができます。そして、差別的発言の報告があったことを知らせます。
審判はその報告を記録し、FAへと通達します。そして、私たちがそれを引き続き調査します。
もし差別的発言がファンの中で行われた場合も、審判に報告することが重要です。なぜなら、ステュワードを手配し、その付近のCCTVを解析するといった迅速な対応を取ることができるからです。今では、多くのプロの試合がテレビで中継されており、多くの物的証拠が残っています。
もし差別的な乱用が繰り返されれば、審判は試合を中止する決断をします。そして、グラウンドの保安委員や警察が審判をサポートします。
それらに反応したり加勢したりしないでください。トラブルに陥る可能性があるからです。
「反応」するのではなく、「報告」をお願いします(以下略)。
映像の後半では、差別的行為を行ったファンへのその処分についても触れられており、差別的行為がどれほど大きな罪にあたるのかを身をもって感じることができる。
今回のFAのように、差別的行為の罪深さを分かりやすく、かつ情動的に訴えかけることこそ、今Jリーグに求められている姿勢なのかもしれない。