ドイツ代表MF、メスト・エジルはアメリカ戦で勝利を目指す事を誓った。

グループGで首位のドイツと2位のアメリカは既に勝ち点4を得ており、直接対決となるグループステージ第3戦目でドローとなれば、共にノックアウトステージ進出が決定する。しかし、ドイツ対アメリカ、ガーナ対ポルトガルの両試合が共にどちらかの勝利で決着する場合、2位の座は得失点差で争うことになるため、ドイツとアメリカが引き分けを狙うのではないかと囁かれている。

また、アメリカの指揮官が前ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマンであり、現代表監督のヨアヒム・レーフはクリンスマンがドイツ代表を率いていた頃にヘッドコーチを努めていた関係を懐疑的に捉える論調も存在しており、これらの状況から両チームの関係者、メディアはこぞって決戦ムードであることを強調している。

この複雑な状況下でエジルは以下のように語っている。

「(サッカー)選手が(試合で)ドローのために戦うことがないと信じている。僕らは点を取るために90分プレーするよ。勝利のために最大限のことをするのが僕らの目的だ。そして、僕らはそうするよ。グループの首位で終えたいんだ」

1982年、ワールドカップの西ドイツ対オーストリア戦は談合疑惑が持たれた試合として有名である。32年前は首位のオーストリアは敗戦しても2点差以内なら2次リーグに進む事ができ、西ドイツはオーストリアに勝利すれば2次リーグへ進む事ができた。そして、先に試合を終えたアルジェリアはドイツが引き分け以下であれば2次リーグに進出できる状況にあった。

試合は西ドイツが前半7分に先制したあと、残りの83分間は共に攻める気配を見せずタイムアップ。同試合よりも前の時刻で試合が開催され、勝利を得ていたアルジェリアは2次リーグ進出を逃しFIFAに提訴。だが、最終的に関連性はないとされ、訴えは棄却されている。これらの件をふまえ、以降のワールドカップにおいて、グループステージの最終戦は各グループごと同じ時刻でキックオフされる事になった。

エジルはこの件についても以下のように語っている。

「現在、それ(西ドイツ対オーストリア戦)はこのチームに何も影響しないよ。ほとんどの選手がその時生まれていなかったからね。それについて意見もないだろうし、観た事もないだろう」

「現在では(西ドイツ対オーストリア戦を)理解するのは難しいね。僕らにはどうしてそれが起きたのかわからないよ。ユルゲン(・クリンスマン)にも自分にも関係のない事であり、我々は勝利するためにピッチへ向かう。引き分けの為じゃない。もしドローを望んだとしても、そうはならないよ」

ドイツのメディアは「クリンスマンをやっつけろ」という報道を行い、アメリカ側(MLS)は「クールじゃない」と批判。両チームの決戦ムードは非常に高まっている。エジルの言葉通り、プロ選手として好試合を披露してくれるのは間違いないだろう。

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