『Africanfootball』は「ナイジェリア代表監督を解任されたスティーヴン・ケシ監督は、どのような過ちを犯してきたか」という記事を掲載した。
スティーヴン・ケシ氏は2011年にサムソン・シアシア(現U-23代表監督)氏の後を継いでナイジェリア代表監督となり、2013年アフリカネイションズカップではチームを19年ぶりの大陸王者に導いたことで知られている。
その後コンフェデレーションズカップへの出場、ワールドカップ予選の突破と結果を残してきたものの、今夏から始まったアフリカネイションズカップ2015予選では苦戦。
連盟が会長選挙の不成立や本部の火災などで契約が満了となり、パートタイムで雇われている状況の中でチームを率いていたものの、さすがに状況が悪すぎたかコンゴ、南アフリカ、スーダンを相手に4試合で1勝1分け2敗と絶不調だった。
そして新会長が就任したナイジェリア連盟は17日にケシ監督を解任すると発表。本人は「契約がパートタイムなのだから解雇も何もない」とさらりと話しているが、一時は国民的英雄だった指揮官の去り際としては何とも寂しいものとなった。
そしてこれまでも伝えてきたとおり、給与未払いの問題を公表したり連盟が推す選手を頑なに招集しないという選択をしてきたケシ監督は、メディアや連盟との折り合いが非常に悪く、頻繁に批判的な報道がなされてきた。『Africanfootball』はケシ監督の過ちとして7つの項目をあげ、激しく批判している。
1:傲慢さと肥大した自我
ケシは常に傲慢な男であった。それは彼の愛称である『ビッグ・ボス』を表している。ファンのお気に入りだったサムソン・シアシア前監督に対し、最初の試みで彼を否定する仕事を行った。
また、ブラジルW杯を前に提示された優れた援助(連盟は大会前に外国人ディレクターを雇おうとしていたが、ケシ監督は『必要ない』として断った)を拒絶した。それが意味するように、彼はスタンドプレーをしていた。
ファンに対して「応援をしないのならばせめて黙っていてくれ」と話すなど、彼の不用意な発言は、未熟さを露呈するものだった。そして、彼はいかなる批評も受け付けることがなかったのは、何とも不思議なことである。
2:非従順
彼の周囲にいる『強力な友人』が常に守っていたので、彼は雇用者を尊敬することがなかった。昨年アフリカネイションズカップに勝ったことは、彼に大統領や官僚との接触というものを与えた。
コンフェデレーションズカップやワールドカップでの不名誉なボーナスの問題に関しても、公に報じられたこと以上にコーチは知っていたと主張する人々がいる。
また、彼はナイジェリアサッカー界のリーダー争いにおいて、一部の人間とは働く気がないと明らかにし、手を加えていたと信じられている。
新しい連盟の委員会のメンバーならば、そのような監督と仕事をすることに警戒を覚えて当然だろうと思わないか?
3:問題のあるチーム選考
選手の招集はかなり疑わしい。市場にいる女性であっても、ケシがしばしばおかしな招集をしたことに同意するだろう。多くの選手が代表チームとの関係を持っていなかったし、ケシはそれを違った風に見ていた。
結果としては、ケシは多くの平凡な選手にチームの重要な部分を任せ、能力や判断という点で大きな問題をもたらしたということだ。
4:ドレッシングルームのコントロール欠如
彼がもはやドレッシングルームをコントロールできていなかったことは、エマニュエル・エメニケ(※本人たちは確執の存在を否定しているが、スーダン戦で先発を外れたことからそう報じられている)との争いにも表れている。
管理者の能力をテストした選手としては、ジョセフ・ヨボ、オサゼ・オデムウィンギー、イケチュクゥ・ウチェら(※彼らは連盟のお気に入りで、ケシ監督は招集に消極的だった)だ。彼らとの確執があったという点で、彼の能力不足が明らかになった。
5:戦術の不足
それについては何も言わない方がいいだろう……なぜならケシのゲームプランは彼自身が説明出来なかったからである。
サッカーは22人の青年が根性をぶつけ合うようなスポーツではない。チームを準備するにあたっては多くの科学があり、ベンチでは相手の裏をかくための多くの考えがめぐらされているものであるが。
6:アシスタントの欠如
彼はアシスタントからどれだけの支援を得られたのだろうか? 誰もが裏方のスタッフと評価は同等だ。明らかに、彼はそうすべき人々から希望の支援を得ることが出来なかった。
7:運が尽きた
ナイジェリアがアフリカネイションズカップを勝ち取ったのは幸運だった。しかし、運は永久には続かない。
ケシと彼のチームは3年のうちのほとんどを勝利の女神に依存していたし、彼女は遅かれ早かれ彼らを放棄するつもりであったのだ。
なお、ナイジェリアでは今予選での成績不振からファンからも監督に対する風当たりが強くなっているのも事実だが、近年で最も成績を残した指揮官であることも事実であり、逆に連盟やメディアによる敬意を欠く対応を批判する動きもある。