昨今、日本人選手の東南アジア諸国への進出が相次いでいるが、今回は将来的にその有力な候補地の1つになり得るであろうベトナム・Vリーグの移籍・契約制度について迫る。
ベトナムのローカル移籍・契約制度、「Tien lot tay」とは?
Vリーグの移籍市場を毎年騒がせる大型契約。
紙面には120億ドン(約6670万円)、100億ドン(約5560万円)、90億ドン(約5000万円)、80億ドン(約4450万円)など破格の契約が紹介されているが、これはVリーグ独自の契約制度で、選手自身が手にする「契約金(Tien lot tay:袖の下)」だ。
Vリーグ各クラブのオーナーは毎年、数千億ドンを投じてクラブを運営してきた。
Vリーグでは、クラブの活動資金のうち、40%が人件費とされている。契約金が占める割合も小さくない。契約金は近年、高騰を続けており、数十億ドンの大型契約も今では珍しくなくなった。
記憶に残るところでは、2011年にベトナム代表DFレ・フオック・トゥがタインホアからサイゴン・スアンタインに移籍した際の契約金が120億ドン(約6670万円) 。2010年にベトナム代表FWグエン・ベト・タンがビッサイ・ニンビンに移籍した際の契約金が90億ドン(約5000万円)とされている。