黄金世代U-19ベトナム代表のエースで、その圧倒的な個人技の高さから「ベトナムのメッシ」の異名をとるグエン・コン・フオンが1月4日のVリーグ開幕戦でいきなり2ゴールの活躍を見せ、鮮烈なプロデビューを飾った。

国内では、「ベトナムの英雄」レ・コン・ビンが持つベトナム人シーズン最多得点14ゴール(2009年・当時ハノイT&T)を抜き去るのではないかと期待されている。

今年がデビューシーズンとなるグエン・コン・フオンが狙うのは、新人王と得点王のダブル受賞だ。開幕節の活躍で、その期待は俄然高まっている。得点王はこれまで外国人選手が独占してきたが、今季は外国人枠の減少に伴い、ベトナム人FWの出場機会が増加すると予想される。因みに、第1節では全23ゴール中15ゴールがベトナム人選手によるものだった。

クラブ首脳陣が絶大な信頼を寄せるグエン・コン・フオンは、負傷などが無いかぎり、今後殆どの試合でスタメン出場すると見られ、残り25試合で13ゴールは十分達成可能な数字と言える。HAGLの中盤には多くの優秀なパサーが揃っており、このことも大記録達成を後押しするはずだ。

(C) bongda, グエン・コン・フオン(奥)

一方、Vリーグ通算最多得点(108ゴール)とベトナム人得点王5回(2006年、2007年、2009年、2010年、2013年)という前人未到の記録を築き上げているレ・コン・ビンだが、今季は選手層の厚いベカメックス・ビンズオンに移籍したため、スタメンが約束された立場ではない。AFFスズキカップ2014では、チーム最多得点の活躍で実力の健在ぶりを世界にアピールしたが、クラブでは本来のポジションではなく、サイドハーフでの起用が濃厚だ。

今季はグエン・コン・フオン以外にも多くの将来有望な若手が台頭してきている。ベトナムサッカーは今まさに世代交代の時を迎えている。

(C) bongda, レ・コン・ビン

記事提供元: 「「ベトナムのメッシ」が「ベトナムの英雄」を超える日@Vietam Football


筆者名:宇佐美 淳

プロフィール:1981年生まれ、愛知県名古屋市出身。2005年に日本語教師としてベトナムに渡り、2010年までホーチミン市の日本語学校・大学などで勤務。2011年から日系企業で翻訳・校正業務を担当。2013年にベトナムサッカー専門サイト「ベトナムフットボールダイジェスト」を立ち上げる。
ツイッター: @VN_FOOTBALL

【厳選Qoly】U-23日本代表、奮起が求められる3名!パリ五輪出場には活躍が不可欠

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら