毎日、活発を見せている冬の移籍市場だが、若者たちにとってはローンでトップチームの経験を積むチャンスになっている。しかし、さすがは資金力に富むイングランド、ローンに出される選手達も個性的だった。
今回は、そんな若者たちを特集する。
アレックス・キウォムヤ(チェルシー→バーンズリー)
父アンディ(Andy)もフットボーラーという2世選手、QPR、アーセナルに所属したクリス(Chris)とは従妹の関係にある。スピードに優れたウィングまたはストライカーで縦への推進力が売りだ。
100m走は10秒98を記録している。これはU-15の大会で優勝した時の記録で15歳以下の国内最速レコードとなっている。いわゆるストップウォッチではかった"非公式"記録ではなく、陸上競技を真剣に取り組んでいた証としての数字である。
後半から伸びを見せるキウォムヤ
チェルシーがユースから快速の選手を育ててきたという歴史はほとんどないが、"チェルシーのウサイン・ボルト"はサッカー界でも名前をとどろかすことはできるだろうか?
マニ・ディーセルーヴェ(シェフィールド・ウェンズデー→チェスターフィールド)
2013年11月のフリートウッド・タウン戦で18歳にしてトップチーム・デビューを果たしたストライカー。昨シーズンも2チームにローン移籍されたが、これまでトップチームでの得点はない。それだけに本人も「今回の移籍はビッグチャンス。ステップアップの機会だ。」「出発が待ちきれない」とローン移籍に対して好意的にとらえている様だ。
公式ホームページに身長、体重の記載はないものの他サイトでは196cm/72kgと記載されている。実際はもう少しありそうだが、いわゆる高くて細い選手で頭、足両方からゴールを狙っていける。
ヘッドを決めるディーセルーヴェ
トップチームでも得点がとれる様になれば、"シェフィールドのピーター・クラウチ"と呼ばれても不思議ではないか。
デヴァンテ・コール(マンチェスター・シティ→ミルトン・キーンズ・ドンズ)
マンチェスター・シティ一筋のストライカー。父アンディ・コールもかつてマンチェスター・シティに所属経験があるが、何といってもマンチェスター・ユナイテッドでドワイト・ヨークと2トップを組みユナイテッドの黄金時代を支えたことで有名であろう。
様々なポジションを経験したというが、結局は父と同じストライカーとして才覚を発揮している。マンチェスター・シティのトップチームではまだ出番がないが、今季はローン先のバーンズリーで5得点、シーズン後半はミルトン・キーンズ・ドンズにレンタルされることとなった。
父親譲りの万能型ストライカーで得点をとるだけでなく柔らかさもありドリブルなどにも力を見せる。
2世選手といえどポジションが違うケースも多いなか"アンディ・コールの生き写し"と呼べる日も近いのではないだろうか?
今回はローン先で活躍が認めそうな3人を紹介した。イングランドでは世界各国から青田買いを続け、優秀な選手を大量に保有している。次回は、反対に今季移籍加入した若者たちにスポットを当てたいと思う。