7月27日、フランス・リーグドゥ(2部)のル・アーヴルは「新たな会長にアメリカ人のヴィンセント・ヴォルプ氏が就任することが決定した」と公式発表した。

今年横浜F・マリノスの監督に就任したエリク・モンバエルツ氏が12月まで指揮していたことで知られているル・アーヴル。数々の名選手を生んできた育成の名門であるが、近年は経済的に苦しんでいた。

昨季は開幕前にクリストフ・マイヨールという人物がクラブを買収する予定になっていたのだが、その新会長候補は約束通りに資金を持ち込むこともなく、クラブは愛想を尽かして交渉を中断。マイヨール氏はまるで詐欺師であったかのように去って行った。

その中でもクラブは7位と比較的好成績を残すことに成功していたが、経営の厳しさについては変わりはなく、ジャン=ピエール・ルヴェル会長は新しい投資家を探していた。

そして今回、ようやくそれが完了した。新たな会長になったのはアメリカ人実業家のヴィンセント・ヴォルプ氏。今月初めまでドレッサーランド(コンプレッサー、タービン製造の最大手)で勤務し、日本支社で副社長を務めた経験もある。

2000年にドレッサーランドの社長兼最高経営責任者(CEO)に就任しており、2013年だけで641万ドル(7.9億円)の役員報酬を得ていたと言われる。

さらに今月ドレッサーランドがシーメンスに買収された際に退職しており、その際にヴォルペ氏は1億1300万ドル(約139.3億円)という莫大な額を受け取っていた。

なおこの買収によって取締役会のメンバーは一新されており、ドレッサーランド時代の仲間であったマーク・メイ氏、ヤン・ケース・ヴァン・ハーレン氏、パスカル・ラルディ氏、ホルヘ・パチェコ氏などで構成されることになった。

また、面白いところではジェネラルディレクターにアルノー・タンギ氏が招へいされている。

彼はブレスト、カーンなどでプレーしたレフトウイングだったのだが、25歳で金融業に転身した異色の元選手。2013年から今夏までロリアンでCEOを務めていた人物である。

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