UAEのアル・アインが鹿島MFカイオに興味を示しているというニュースは、すで日本でも報じられている。このニュースを伝えたのは、UAEのスポーツ紙『SPORTS360』だ。
記事によれば、カイオがJリーグのベストヤングプレーヤー賞を獲得した2014年、アル・アインは一度、鹿島に対して300万ユーロ(およそ3億5600万円)のオファーを提示したそう。
しかしこの時はカタールの2クラブがさらに高額なオファーを送っていたこともあり、鹿島側は拒否をしていたようだ。
UAEリーグでは外国人枠のルールが設けられておりアル・アインはカイオの獲得に向け人員整理を進めるとなど、かなり具体的な内容となっている。
EURO2016の取材のためフランスに向かっていた編集部Sはドバイ国際空港でたまたまこの新聞を読んだのだが、突然のことでとても驚いたものだ。
そんなこの記事のなかでは、先日行われたJ1ファーストステージ第15節浦和レッズ対鹿島アントラーズ戦で発生したカイオへの人種差別的発言についても触れられていた。
その部分に、なかなか衝撃的な内容があったので紹介しよう。
記事で書かれている内容は以下の通り。
「2011年に17歳で日本へと渡り、帰化についても言及したことがあるカイオはここ最近、人種差別スキャンダルに巻き込まれている。
浦和レッズは昨日、『先週カイオへに向けられた @xxxxxxxxxxx というファンによる攻撃的なツイートは全くもって許されることではない』と発表した」
そう、なんとこの新聞では誹謗中傷をした人物のTwitterアカウントが実名で伝えられていたのだ!
カイオに対する人種差別的発言のニュースは日本でも大きく報じられているが、主要メディアではその人物のアカウントは伏せており、こうしたケースではそれが一般的となっている。
しかし、国が違えばメディアの規範も違う。中東地方で人気を誇る新聞では、異国のニュースながら堂々とその名を掲載し、読者がアクセスすることさえ可能にしていたのだ(当該アカウントは削除されたそう)。
いずれにせよ、Jリーグで起きた心無いファンの行動が世界中で報じられてしまったことだけは間違いないようだ。