学校の成績にも絶対評価と相対評価があるように、絶対的な基準で見ればおそらくプレミアリーグのレベルは上がっているに違いない。
ただ、少なくとも今回見たデータの上では、リーグとして欧州での競争力は以前に比べて落ちている。表題の「どのぐらい落ちているのか?」についていえば、チャンピオンズリーグのグループステージで1チーム平均だいたい1.5ポイントのダウンだ。
ヨーロッパリーグではここ5年で2チームが決勝へ進出。2012-13シーズンにはチェルシーが優勝しているものの、それ以前と比べて大きな変化があるとは言い難い。むしろ、現在大会3連覇中のセビージャに代表されるリーガ勢の強さが目立つ。
前述のように世界的なタレントの流出、EURO2016でも顕著だった欧州全体の底上げ、「世界で最も富めるリーグ」であるからこその激しい争い――。
プレミアリーグ停滞の理由についてはいくつも考えられる。決して一つではないだろう。
そうした中で、昨年はユルゲン・クロップ(リヴァプール)、今年もジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)やアントニオ・コンテ(チェルシー)といった優秀な指揮官がプレミアリーグの強豪クラブへやってきた。
選手でもズラタン・イブラヒモヴィッチやポール・ポグバらが移籍してきたが、チームに大きな変革をもたらすことができるのはやはり監督。特に、世界的な名将グアルディオラを迎えたシティは昨季の欧州4強でもあり、今季のCLにおいてイングランドで最も期待できるクラブといっても過言ではない。今回のデータに新たな“トレンド”を作り出す可能性も十分あるはず!
いよいよ始まった欧州最強を決める戦い。来年5月にウェールズのミレニアム・スタジアムで行われる決勝に向け、グループステージでは今季頂点に立ちそうなクラブを探しつつ、プレミアリーグ勢の戦いぶりにもちょっと注目してみたい。