BとJの分布図-バランス・スペース・バトル・ポジショニング

<図1>2016年のBリーグとJリーグの都道府県別分布


注:同一都道府県内に複数のカテゴリーのクラブがある場合は、最上位のクラブの所属リーグで集計(例:東京=「B1&B2&B3」+「J1&J2」→「B1&J1」)

一番分かりやすいのは、BリーグとJリーグのクラブがそれぞれどこにあるかでしょう。ちょっと色が多くなりましたが、Bリーグ開幕時の都道府県分布図を<図1>で作りました。なお、Bリーグ自体は2部制ですが、プロアマ混在で発足する事実上の下部リーグ、「B3リーグ」の所在地もチェックしています。

Bリーグのクラブは全国まんべんなくできましたが、内容は東高西低です。18のB1チームのうち、関西に3つあるのですが、大阪の西は一気に沖縄へ飛びます。最後のbjリーグ王者だった琉球ゴールデンキングスのB1参入は当然でしたが、その間の中国・四国・九州が抜けています。特に九州北部ではB3のライジングゼファーフクオカしかありません。

一方でJリーグの「中央分離帯」、越前海岸から琵琶湖を抜けて紀伊半島に広がる広大な空白域ではB1の滋賀レイクスターズとB2のバンンビシャス奈良が生まれました。そしてJ2からJ3に落ちたクラブがある県には栃木ブレックス)と富山グラウジーズと2つのB1クラブ、鳥取と同じ山陰にはB2の島根スサノオマジックがあります。これらの地域では両者の競合が起こるかもしれません。

BとJがどちらもないのは5県。うち和歌山では、かつての実業団系リーグ、NBLにいた和歌山トライアンズが2017-18シーズンでのB3入りを目指して活動中です。一番難しいのは今回の統合まで続いていたプロリーグ、bjリーグのチームが2013年に解散した宮崎になりそうです。サッカーでもJFLまで来ていたプロフェソール宮崎の解散があり、この県をホームにしたプロスポーツ運営は至難の業です。

一方、B1もJ1も見られるのは7都府県。さらにJ1ではない「東京シリーズ」と「愛知シリーズ」が、しかも愛知では3チームの間で行われます。その下でもクラブは多く、B2を入れると東京と愛知は4つずつ、9クラブが参加するB3では東4・愛知2で全体の3分の2の超過密状態です。

なぜこんな配置になったのか、その中でどう差別化していくのかという話はとても興味深いところです。


愛知県内のBリーグ4クラブはバスケ熱を高めるための共同企画を開始している。9月19日に4チームの選手によるトークショーを名古屋の繁華街、栄で開催。このキャンペーンで使用される、各クラブのエンブレムと愛知県の地図を組み合わせた画像も作成された。
愛知県内4クラブ合同プロジェクト始動! 第一弾企画 4クラブ選手トークショー開催!」(豊田通商ファイティングイーグルス名古屋公式より)

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