近年多くの問題に発展しつつある若年層の選手の国際移籍。

2年前にはバルセロナが規則に違反したとのことで処分を受け、2度の移籍マーケットにおける新規選手登録の禁止という厳しい罰則を経験した。

現在はレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーが同じ処分を言い渡されており、国際スポーツ裁判所の判断を仰いでいる段階にある。

そして先日はマンチェスター・シティがアルゼンチン人選手ベンハミン・ガレの獲得時に規則を逸脱していた可能性があると伝えられており、FIFAの調査が行われている。

しかし、その細かいルールについては意外に周知されていないようだ。

原則的に18歳未満の国外移籍は禁止されているというのに、マルティン・ウーデゴールは16歳でレアル・マドリーへ加入しているし、若手の引き抜きの話はそれ以外にも数多い。

なぜそれが可能になるのか?そこには3つの「例外」があるからなのだ。

18歳未満の選手が国をまたいで移籍が可能になる3つの例外項目は以下のとおりである。

  1. 選手のサッカーに関する理由ではなく、両親の仕事の関係による移住である
  2. 移籍先のクラブが、移籍元の国の国境から50km以内にある
  3. EUのパスポートがある選手については、EU内であれば16歳から移籍が可能となる

レアルで問題になっている選手の中には、ジネディーヌ・ジダン監督の息子であるルカやエンツォも入っている。

その理由は、彼らがレアル・マドリーに入団した際、“父のジネディーヌがスペインに居住していなかった”ため、『サッカーを目的とした移籍』と疑われているからだ。

逆に、様々なクラブで制限以下の選手が獲得されている理由は「サッカー以外のもの」によってだ。ウーデゴールに関しても父のハンス・エリックはレアル・マドリーのコーチとして雇われており、それに従っての移籍にもなっている。

結局のところ『両親の仕事の関係で偶然移籍しただけ』という名目で行われている取り引きがあり、それらの根拠が曖昧であるため問題になるわけだ。

穴だらけと言えばそれまでであるが、FIFAはそういうルールのもとで若年層の移籍を管理している形となっているのだ。

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