今夜、2018年ロシアW杯・アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦する日本代表。

日本にとってサウジアラビアは歴史的にもスタイル的にも相性の良い相手であるが、彼らは日本が1-2で敗れたUAEに3-0で大勝するなどグループ首位を走っており、難しい試合になることが予想される。

そんなサウジアラビアを率いるのは、オランダ人のベルト・ファン・マルワイク監督。2002年に名門フェイエノールトにUEFAカップ(現EL)制覇をもたらし、2010年ワールドカップでは、オランダ代表を準優勝に導いた世界的名将である。

オランダといえば攻撃的なサッカーが知られているが、彼は非常に合理的で手堅いサッカーを特徴とする。試合中に喜怒哀楽を見せることはほとんどなく、フェイエノールト時代の教え子である小野伸二に「サッカーはサーカスではない」と厳しく叱責したことでも有名だ。

2010年大会はオランダにとって1988年のユーロ以来となるビッグトーナメントでの準優勝だったが、決勝のスペイン戦後、同国の英雄ヨハン・クライフは「醜く、下品で、ハードな、見ていられないようなスタイル」と、酷評した。

ただ、上述した2つの快挙はどちらも長く国際大会での成功から遠ざかっていたチームに栄光をもたらしたものである。2006年大会以来ワールドカップから遠ざかっているサウジアラビアの立て直しに成功し、あと一歩のところまできている事実は、彼が“再建のプロ”であることを裏付ける要素となろう。

そして、今回の大一番はワールドカップ出場に向けた重要な試合になると同時に、再び日本サッカー界のターニングポイントになるかもしれない一戦でもある。

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