2018年にロシアで行われるワールドカップのアジア最終予選。日本は初戦でUAEにまさかの黒星スタート。その後、タイ、イラクに勝ち、オーストラリアに引き分け、2勝1分1敗と持ち直した。

そして迎えた11月15日、清武弘嗣が「本当に厳しい状況、次の試合は本当に大事なので、勝つためにチームが一丸とならないといけない」と話したグループ首位、サウジアラビアとの一戦。清武は日本の攻撃の起点となり、前半の終了間際にはPKで先制点も奪った。

後半5分に左足首を痛めるアクシデントがあったものの、19分までプレー。トップ下として輝きを放った。日本は清武の活躍で、首位との大一番に勝利。サウジアラビアと勝ち点で並び、2位で最終予選前半を折り返した。その4日前に行われたキリンチャレンジカップのオマーン戦も踏まえると、この2試合で清武が残したインパクトは大きい。

日本代表戦では存在感を示した清武だが、所属のセビージャでは、ここのところ出場機会に恵まれていない。リーガ・エスパニョーラの開幕となるエスパニョール戦で先発フル出場。後半29分に初得点・初アシストも決め鮮烈なデビューを飾ったが、第4節のエイバル戦以降、先発出場はない。

そうした現状について、清武が日本でリーガ・エスパニョーラの試合を放送しているWOWOWのインタビューに答えた。


(C)Daisuke Nakashima

清武は「ハリルさんも言っているように、チームではチームの役割があって、代表では代表での役割がある。代表は全く別物」だと言う。それではシーズンが開幕して3ヵ月、リーガ・エスパニョーラ、そしてセビージャの印象はどのようなものなのだろうか。

「想像していた通りといえばそうだが、やっぱりリーガの選手はうまい。技術は予想を超えている。その上で激しさがあり、戦える。これはブンデスリーガで経験したこととは全く違う」

さらに「セビージャはいい選手がたくさんいて、技術も高い。チームも攻撃的ですごくいいサッカーをしている。このレベルの高い中で練習ができているのは、自分にとってはプラス」と語る。チームでは英語がほとんど通じないという言葉の壁にも苦しんでいるが、「毎月、代表戦もあった中で、いつチームにケガ人が出て出番が回ってくるかもわからないので、そういう意味でモチベーションは保てている」。

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