『Guardian』は、今冬のマーケットで存在感を発揮している中国のサッカーについて特集した。
中国の「爆買い」がスタートしたのは2011年。阿里巴巴集団(アリババグループ)が所有する広州恒大は、フルミネンセからダリオ・コンカを世界最高記録となる年俸で獲得したのだ。
その取引を仲介したと言われているのが、キリン・スポーツ・エージェーンシーに所属する香港生まれの代理人ジョセフ・リーである。
サッカー選手であった彼は1980年代に中国へ移籍したが、ピッチでは成績を残せずに終わった。しかし、その代わりに語学を活かしてブラジルに留学したい中国人選手を仲介する商売を始めた。
そして、中国がプロリーグを再設計するにあたって重要な役割を果たし、1998~2005年の間200人ものブラジル人選手の移籍に関わってきた。
「中国のジョルジュ・メンデス」と呼ばれる彼は、ダリオ・コンカやマルチェロ・リッピの取引をするよう広州恒大を説得した。
また、彼はブラジルの代理人エドゥアルド・ウランと緊密な関係にある。そのウランはあのジョルジュ・メンデスとも関係が深い。
ピッポ・ルッソ
「ジョセフ・リーはブラジルと中国の間に生まれた、最初の架け橋の一つであった。
2年前、彼はトラフィック・スポーツ・エージェンシーによって作られたデスポルチーヴォ・ブラジウを買収した。中国でも非常に影響ある人物である」
デスポルチーヴォ・ブラジウは、国内ではサンパウロ州の4部リーグを戦うだけのクラブであるが、それだけの存在ではない。
多くの選手の保有権を獲得し、それを他のクラブにレンタルすることで手数料を得るほか、販売することによって移籍金収入を得る。そのようなビジネスモデルを持つ「選手転がし」のクラブである。
日本ではアルビレックス新潟に所属したブルーノ・ロペス、FC東京に在籍したムリキなどがこのクラブを経由している。