――なるほど。戦術的な特徴についてはどうでしょう?
フォーメーションは基本的には「4-2-3-1」ですが、ちょっと面白い形を採用しているので、これは後ほど詳しく説明します。
監督のホセ・ペケルマンは規律を重んじながらも選手に自由を与えるタイプで、特に攻撃面では個々の創造性や技術に委ねている印象ですね。
そのため、ハメス、クアドラード、ファルカオらのうち誰かが怪我などで不在の時はチーム力が一気に低下します。
南米予選では苦戦しての4位通過でしたが、彼らの不在が響いた試合が多かったためです。これは、個々のパフォーマンスに依存したチーム作りの弊害とも言えるかもしれません。
ただ、プラスの面はもちろんあり、その恩恵を最も受けているのがハメスです。
ハメスの動きによって周りの選手がポジショニングを調整し、チームは彼の良さが最大限に活きるように工夫しています。
彼のキックレンジを活かして逆サイドにボールを展開、そしてそのサイドで「質的優位」を作りドリブルで崩す。またはシンプルにファルカオをめがけてクロスボールを放り込むケースも多いですね。
その反面、これまで長年コロンビアの伝統であった「ショートパスを繋いでいく」というようなシーンは少ないです。
とにかく、今のコロンビアはハメスに依存している部分が大きく、「ハメス・システム」と称しても過言ではないと思います。
もちろん、他にも優れた選手はいますが、それほどまでにハメスの存在感は大きいですね。