――では、このポジションに入るのは?

レギュラー候補筆頭はムリエルでしょうか。

イスキエルドは途中から流れを変えられる選手なので、ジョーカーの一人として控えに置いておくかと思います。

ムリエルは、DFラインの裏を突いたり、サイドから中央へ斜めに侵入できる選手で、コロンビアの戦術的にもマッチしやすい。

絶対的なスピードもあるので、ハメスのスルーパスからだったり、右サイドのクアドラードのクロスに飛び込んだり、「受け手」としても優秀です。

少し話は反れますが、こういうタイプの選手って、けっこう日本が苦手としている印象がありますね。なので、「意外な形でムリエルにやられた」というシーンも起こり得るんじゃないかと見ています…。

と言った矢先にあれですが、ペケルマンは、ムリエルよりもウリベを選択する可能性はありそうです。

――今季メキシコのクラブ・アメリカで活躍。北中米のチャンピンズリーグ、国内リーグでもベストイレブンとなった選手ですね。

はい。

オフ・ザ・ボールの能力が上がったことで得点能力が向上しました。本来はトップ下で活きる選手だとは思いますが、代表では左サイドだったり、クアドラードがいない時は右サイドでも起用されています。

そして、そこで本当に「気の利いた動き」を見せていたんですよね。

ムリエルが得意とするゴール前への飛び出しやドリブル突破はあまり期待できないかもしれませんが、攻撃のリズムや流れに乗っかるのが本当に巧い。

エジプトとの親善試合では左サイドで起用されていましたが、特にハメスのサポート役としての働きが目立っていました。

前述のようにハメスは「ハーフスペース」から「サイド」にかけてフラフラすることが多いのですが、彼が左サイドに張った場合は、ウリベが「ハーフスペース」の位置を取ります。

このちょっとした動きで、ハメスには選択肢が増えますし、万が一、ボールを奪われた際にはウリベが「第一防波堤」として守備にも走れるわけです。

本当に「今自分が何をすべきがわかっている選手」なので、ペケルマンとしてはムリエルよりも「使いやすさ」を感じているんじゃないでしょうか。

運動量や守備面も及第点以上の選手ですし、ボランチへとポジションを変えることも可能です。選手交代なしにフォーメーションを変えられるというのは監督にとって有難い存在でしょう。

なので、その汎用性やチームのバランスを考えると、今のコロンビアの左サイドはウリベのほうが良いかと思っています。