ワールドカップのグループステージ最終戦でアルゼンチンと激闘を演じたナイジェリア代表。

同チームをキャプテンとして牽引したMFジョン・オビ・ミケルが衝撃的な話を明かした。

『ESPN』によれば、彼の父親がこの試合直前に誘拐されていたという。ミケルはそれを知りつつも、当局に通報すれば即座に父親を襲撃すると脅されていたために、誰にも明かさずに試合に臨んでいたそう。

ミケルはキックオフの4時間前に誘拐犯から連絡を受けて、父を安全に解放してもらいたければ、1000万ナイジェリアナイラ(308万円)を支払うように要求されていたとのこと。

事件があったのは6月26日(29日という情報も)。父は葬儀に参列しようとしていた途中で、ドライバーとともに誘拐された。それからほぼ1週間後の7月2日、当局は銃撃戦のうえで2人を救出。

その後病院へ搬送された父親は、拷問を受けていたことから複数個所の縫合が必要だったとされている。ミケルはさらなる治療のために父を海外の病院に転院させることも考慮しているとのこと。

2人の救出後にこの話を明かしたというミケルは、こう述べていた。

ジョン・オビ・ミケル(ナイジェリア代表MF)

「取り乱していたよ。何をしたらいいのか分からなかった。

でも最後には1億8千万人のナイジェリア国民を失望させることはできないと悟った(試合に出る)。

そのことを忘れて、国を代表しに行かなければならなかった。

当局に通報したり、誰かに伝えたら、即座に父親を撃つと脅されていた。

監督とこのことについて話し合いたくはなかった。

あんなにも大事な試合がある日に、自分の問題で監督や他のチームメイトたちを動揺させたくなかったからね」

ナイジェリアは終了4分前に決勝ゴールを奪われて敗退したが、ミケルはフル出場している。彼の父親は2011年にも誘拐されたことがあるという。

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