『L'Equipe』は14日、「ベルギー1部のロイヤル・エクセル・ムスクロンは、詐欺やマネーロンダリングの疑いで家宅捜索を受けた」と報じた。
先日ベルギーでは大規模な八百長問題が浮上し、大きなスキャンダルになっていたが、今回はそれとは全く異なった事件に関するものだ。
ベルギーでは選手の代理人がサッカークラブを所有することは禁止されているものの、このムスクロンがピニ・ザハーヴィ代理人の関連企業であることは公然の秘密となっていた。
ピニ・ザハーヴィ氏は1943年生まれのイスラエル人代理人で、語学力と交渉力を生かしてサッカージャーナリストから代理人に転身したという人物だ。
1979年にイスラエル人DFアヴィ・コーエンをリヴァプールに移籍させたのを皮切りに多くの選手を取り扱った。
特にイングランドのクラブや監督との関係は深く、チェルシーのオーナーであるロマン・アブラモヴィッチ氏と懇意であり、アシュリー・コールの違法な取引にも関わったと言われている。
また、南米系の選手たちとのコネクションも強く、バルセロナからPSGに移籍したネイマールらの取引にも関与していたことが判明しており、現在のサッカー界では大きな力を持つ代理人の一人である。
ザハーヴィ氏は2015年にファンドを通してムスクロンを買収し、甥が運営している会社に引き渡す。そして名目上はタイの実業家パイロイ・ピーンポンサンに売却されているが、ザハーヴィは依然としてクラブの重要な立場に留まっているという。
ザハーヴィ氏には、書類を偽造してクラブの所有権の在り処を偽ったという罪、そしてクラブを利用して移籍金や手数料による収入を隠匿していたという詐欺容疑がかけられているとのことだ。