以下、スレイス氏へのより詳細なインタビューを紹介。なお、ラインナップやメッシ以外の着用選手などは改めてお届けしたい。

――『ネメシス 19』のデザインについて教えてください。

新ネメシスのデザインプロセスは、通常のプロセスとは全く異なるものでした。デザインビジョンを作成するだけではなく、実際にテストをしていく際、数多くの異なる試作品を作成する必要がありました。

なぜならば、今回のネメシスは素材からデザインを見直したからです。様々な素材と試作品でテストを行い、どのように作用するかを見て、何度も繰り返しテストを行いました。新ネメシスのデザインプロセスは、作る→テストする→作る→テストするという循環的なものでした。

――『ネメシス 19』のキーポイントを教えてください。

以前のネメシスは、レースレスデザインのスパイクに必要とされた、とてもタイトで圧縮感のあるフィットを提供していました。今回のネメシスはフィット感に重要な違いがあります。タイトなフィットが必要な部分にはそれを提供し、逆に必要のない部分には柔軟性のあるフィットを提供します。

シューズの可動域も改善したいと考え、アウトソールを分割し、内側にトルションを備えた“スプリット・トルションシステム”を採用しました。この機能により、他のフランチャイズのフットウェアと比較しても、より多方向への激しい動きが可能になりました。

新素材を用いた商品開発は、新しい織り構造のアッパーデザインとなりました。商品の色や形も非常にユニークですが、この新構造により、履き口の足入れの容易さがこれまでのレースレスデザインのスパイクにはないものとなっています。

――選手からのデザインの反応はいかがですか?

ネメシスシリーズは、最も進化的であり、最も興味を喚起し、衝撃を与えるフランチャイズです。『ネメシス 19』を初めて見た多くの選手が、この見た目、シルエット、カラーに驚いていました。同時に、彼らは過去のフットウェアよりもはるかに現代的で進化的だと評価してくれています。

――日本でも多くの選手がadidasのスパイクを履いてプレーをしています。スパイクを選ぶ彼らにデザイナーの観点からアドバイスをお願いします。

まず覚えてもらいたいのは、adidasのスパイクは最高レベルでプレーができるように設計・デザインされているということです。当然、機能的な視点でスパイク選びをしてほしいですが、それと同時に感情的な視点でも自分にベストかどうか考えてスパイクを選んでほしいです。

『コパ』であれば、最もオーセンティックなモデルありボールタッチを重視する。ネメシスは進化しているモデルで、アジリティを重視するプレーヤー向け。『プレデター』はコントロール、『エックス』はスピード、あなたがピッチの上でどうなりたいかをイメージすることが大切です。

機能的な視点と感情的な視点の両方でスパイク選びをする。我々は、ある若いプレーヤーに興味深い傾向に気がつきました。どのようにイメージするかが、どのように感じるかに影響を与え、またそれがプレーに影響をもたらす。

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良い方向に考え、感じれば、結果も良い方向にいく。スパイクはプレーヤーそのものと言えるでしょう。

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