グループステージではカナダ、イギリス、そしてチリを相手に1勝1分け1敗。3位でかろうじてノックアウトステージへと駒を進めたなでしこジャパン。

1回戦で相まみえることになったのはスウェーデン。グループステージでアメリカを相手に3-0と大勝するなどして、首位でベスト8に進出してきたチームだ。

その力を証明したというべきか、試合の序盤はまさにスウェーデンのゲームだった。

かっちりとした4-4-1-1のブロックでの守備から、手数をかけすぎずに中央との早い連携でサイドを崩し、スペースをえぐってチャンスを作る。

一方的になでしこジャパンを攻め立てる中、前半7分でスウェーデンは先制点を奪取。コーナーキックのこぼれ球を拾って再攻撃し、左サイドをえぐってクロスに持ち込む。フリーで待っていたエリクソンがヘディングで合わせ、ゴールに決めた。

かなり苦しいスタートとなってしまったなでしこジャパンであるが、そこから見事に立ち直りを見せる。

スウェーデンはなでしこにボールを回させてカウンターを狙ってきたが、中盤が引いて人数が揃うまでの間、最終ラインが早いコンビネーションについていけないという弱点があった。

なでしこジャパンはカナダ戦などで見せていたサイドでのワンタッチパスから裏を取る形、ディフェンスの前で早くボールを動かしつつ飛び出しを狙う形が機能し、いくつかのチャンスを作り出す。

そして23分には清水梨紗のワンタッチから長谷川唯が右サイドを破ってクロス、スペースに田中美南が飛び出して合わせ、同点ゴールを奪った。これでスコアは1-1となる。

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さらに31分には岩渕真奈のスルーパスに反応した田中美南が倒されてPKを獲得するも、VARのオンフィールドレビューによって判定が変更となり、逆転ゴールとはならなかった。結果的にここで得点を得られなかったことは高くついた。

後半に入り、スウェーデンは再び攻勢をかけてくる。そして押し込む中で53分には左サイドからブラックステニウスが裏へと飛び出し、追加点を決めた。

そして、中途半端に受けに回ったらダメだと分かっているスウェーデンは前半と同じ轍を踏むことは避けつつ、プレーエリアを前で保ってきた。

そして64分にはアスラニのシュートをブロックした三浦成美のプレーが、オンフィールドレビューの末にハンドと判定。スウェーデンはこれで得たPKを決め、スコアは3-1となった。

2点を取り返さなければならない状況となったなでしこジャパン。割り切って守りに入りつつもラインを下げずに耐えるスウェーデンを相手に、なかなかシュートまで持ち込ませてもらえない展開となった。

そして試合はこのまま動きなく、3-1というスコアで終了。なでしこジャパンは地元開催のオリンピックで1勝1分け2敗、ベスト8という結果で大会を去ることになった。

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