イタリア・セリエAを戦っているフィオレンティーナは、サッカーをより持続可能なビジネスにするための新しい改革案を発表した。

会長を務めているロッコ・コミッソ氏は、現在イタリアでクラブのキャピタルゲインに関する不正の調査が行われていることを鑑みて、今回サッカー界を変えるための提案を行うことにしたそう。

「サッカーで直接的かつ間接的に働くすべての当事者の基本的なバランスは、維持可能な基準を超えている。FIFAのレポートによれば、選手や指導者の代理人は過去10年間に31億ユーロ(およそ4000億円)を受け取っているという。

2019年だけでも、移籍に使われた70億ユーロ(およそ9000億円)の移籍金総額のうち、7億ユーロ(およそ900億円)が代理人手数料に費やされている。

アメリカンスポーツではコミッショナーによって代理人の影響力が規制されているが、サッカーでは代理人が規制や透明性に縛られずに権力の中心になっている。

フィオレンティーナはよりバランスの取れたシステムを早く作成することを目的として、サッカーの機関に次の10の提案を行うように求める」

なお、その内容は以下の通りとなっている。

  1. 代理人に支払う移籍手数料の割合を制限する。移籍金の5%を超過しないこと
  2. 代理人手数料は一方の当事者(クラブ側が望ましい)のみ支払うこと
  3. いかなる移籍においても、エージェントは選手のみを代理することができる
  4. フリーエージェントで選手が退団した場合には、選手の市場価値、新しいクラブから受け取る給与、代理人への手数料に基づく一定の報酬が支払われる
  5. 当該選手が契約を結んでいるクラブと、当該選手を獲得したいクラブのみが移籍金の額について交渉できる。ただし、クラブが代理人に書面での許可を与えた場合を除く
  6. イタリアサッカー連盟は、少なくとも6年以上となる長期契約を結べるようにするべきである
  7. 代理人に支払う報酬は、選手の総報酬の3%以下に制限する
  8. 代理人は、選手との契約に違反しない限り、知的財産権、肖像権、メディアの権利、スポンサーシップでの報酬を得られる
  9. 代理人手数料はすべて開示される
  10. クラブが代理人に支払うすべての手数料は、FIFA、UEFA、イタリアサッカー連盟、国税庁に申告しなければいけない

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サッカー界ではこのところより力を持つ存在となっている代理人。クラブ側としてはその関係性やパワーバランスを変化させなければいけないと思っているようだ。

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