世界各地で行われている代表戦。イングランドは敵地に乗り込み、ハンガリーとのUEFAネーションズリーグを戦った。
この両国には因縁がある。昨年9月に同じくブダペストで行われた対戦でハンガリーサポーターの人種差別的罵声が問題になった。また、EURO2020の試合でもハンガリーサポーターの行動が問題になったため、UEFAは今回の試合を無観客開催にする処分を下した。
ただ、UEFAのルールでは無観客試合になっても、14歳以下の子供なら入場が許される(子供10人につき大人1人が同伴)。
そのため、この日は3万人の観客が訪れたが、その大半は子供たちだった。
『Sky Sports』によれば、イングランド代表選手たちがキックオフ前に膝をつくジェスチャーをした際、スタジアムにはブーイングが響き渡ったという。
Hungary forced to play game behind closed doors due to fan racism, let in 30,000+ under 14s, who boo England players taking the knee pic.twitter.com/jt652RE310
— Sam Cunningham (@samcunningham) June 4, 2022
【動画】子供たちなのに…イングランド代表への大ブーイングシーン
Sky Sportsレポーター
「イングランド代表が膝をついた際、スタジアムにいる何千人もの子供たちからのブーイングが非常にはっきりと聞こえた。
14歳以下の子供たちなので普段のブーイングよりも高音であり、不思議なノイズだった。
だが、スタジアムの大部分からはっきりとブーイングが聞こえた。
これはUEFAのルールに違反するものではない。UEFAがハンガリーサッカー連盟をさらに罰することは期待できない。
だが、人種差別的罵声に対する処罰としての無観客のはずが、スタジアムの3分の2が観客で埋まるというイメージは不快であり、正しいメッセージを発していないと思う。
さらに懸念されるのは、彼らが若者たちであること。
彼らはイングランド代表の膝をつくジェスチャーを好んでおらず、それを認めていない」
イングランドのギャレス・サウスゲイト監督は、試合前はフレンドリーな雰囲気だったとしつつ、「若者が影響を受けるのは年配の人間しかいない。なぜあのジェスチャーにブーイングをするのか理解できない。若者は自分たちがなぜそうするのか分からず、年配の人間から影響を受けるということがままある」とコメント。
イングランド代表DFコナー・コーディーはブーイングにひどく失望したとしつつ、膝をつくジェスチャーをやめるつもりはないと断言している。
なお、試合は1-0でハンガリーが勝利。Optaによれば、ハンガリーがイングランドに勝つのは、1962年W杯以来60年ぶりだそう。