J1第28節、アビスパ福岡対名古屋グランパス戦で物議を醸すプレーがあった。
前半19分過ぎ、相手に倒された福岡MFジョルディ・クルークスがピッチ上にうずくまってるのを見た名古屋MFレオ・シルバはピッチ外にボールを蹴りだしてプレーを切る。
名古屋は相手がボールを返すと思っていたが、スローインを受けた福岡FWルキアンはボールを返さずにプレーをスタート。名古屋が反応できずにいると、ルキアンのクロスをクルークスがゴールに蹴り込んだ。
この得点に名古屋側が猛反発すると、両監督がピッチ脇で話し合い。その直後のプレーで福岡は守備をせずに、名古屋がゴールするのを許した。
TBS系列の『サンデーモーニング』でも「異例のゴール」としてこの話題をピックアップ。
司会の関口宏さんは「こんなことあるのね」と聞くと、御意見番担当の上原浩治さんは「不思議な感じですね…」と返答。
関口さんは「結果的にはあれでよかったのかな…。とりに行っちゃった選手はなに考えてたかなぁ」と突っ込むも、上原さんは「でも、お互いのチームが納得していればいいですよね。誰かが不満を持つとちょっとギクシャクしちゃいますけども。監督同士もきちんと話し合って、ああいうことになったんで、それはよかったんじゃないですかね」と説明。
すると、関口さんも「そうだね、結果的にはこれでよしと。(2-3で)名古屋は勝ったし」と納得していた。また、ゲスト解説の小椋久美子さんは「あれはフェアプレーのひとつとして、あるってことですよね」とコメントしている。
【動画】これは荒れる…福岡vs名古屋戦であった問題のゴールシーン
なお、番組では、クルークスが長谷川監督に謝罪したシーンも伝えていた。
J公式によれば、両チームの監督は問題のシーンについてこう説明したそう。
長谷川 健太(名古屋グランパス監督)
「(スローインのボールを)返すということを前嶋(洋太)選手も言っていて、長谷部監督も「返せ」という指示を出していた、と。ただそれが観客の声で届かなかった。
前嶋選手も(名古屋の選手に)投げようとしていたが、それをルキアン選手が「なぜだ」ということでマイボールとしてプレーを続けた。
長谷部監督も「得点を献上します」と言っていたので、それを選手に伝えました。
選手も興奮してなかなか伝わりませんでしたが、最終的には長谷部監督の判断でああいう形になりました。」
長谷部 茂利(アビスパ福岡監督)
「われわれの選手が倒れていましたが、それがファウルかどうかがまず問題ですが、その後、われわれはプレーをしてしまった。
相手が出さずにプレーをすればいいのですが、相手がボールを出してくれた。それで治療のために時間を止めてくれた。
主審が対応したのですが、そこで選手たちが理解できていなかったのか、最初のわれわれの失点の場面で頭と頭がぶつかり危ない状況だったのに、主審が流しました。その判断が選手の頭の中に残っていたので、(1得点目につながるスローインの場面で)プレーしたのだと思います。
言葉が合っているかどうか分かりませんが、仕返しじゃないですけれど、自分たちだって同じではないかという思いが出てしまったのかもしれません。
でもそれは違うよ、ということで修正するには(得点を)渡すしかないので、それを選手たちにも理解してもらい過ちを修正したつもりです。そのことはハーフタイムと試合後にも選手に「理解してくれ」と話しました。」