日本人選手がゴールした試合が大荒れになり、120人以上の死亡者が出る大惨事になった。

悲劇的な事件が起きたのは、インドネシア1部リーグのアレマ対ペルセバヤ・スラバヤ戦。試合は山本奨の決勝ゴールでアウェイのペルセバヤが2-3で勝利した(アレマの山口廉史も途中出場)。

ホームで最大のライバル相手に23年ぶりの敗戦を喫したアレマのサポーターはそれを受け入れられず。

敗戦直後に3000人ほどがピッチ上に侵入してパトカーを燃やすなど大暴れすると警察当局や警備員と衝突した。

【動画】山本の決勝ゴールと試合直後の暴動シーン

当局側から催涙弾が発射されるとサポーターたちはパニックに陥り、出口に殺到したことで押し倒されるなどしたようだ。

この混乱で120人以上が死亡。地元保健当局者は「120人以上が亡くなった。カオス、密集、踏みつけ、窒息で死亡した」と述べている。

『Tribun News』によれば、ホストチームだったアレマのチェアマンは、涙ながらに被害者と犠牲者に謝罪したという。

「我々は深く謝罪します。悲嘆に暮れています。幼い犠牲者たちに深い哀悼の意を表します」

「彼らは罪もないのに亡くなった。全ては私の至らなさによるものです。私が対処できず、彼らをこの悲劇から救えませんでした。

もう一度、犠牲者の遺族、全ての観客、インドネシア中のサポーターに謝罪します」

会長はこの悲劇が起きた責任を問われている6人のうちのひとりとされている。

『CNN』によれば、この会長は2010年の時点でサッカー界から20年間の追放処分を受けていたという。

今回と同様に試合でのキャパオーバーが発生し処分を下された際、賄賂を贈ろうしたことが発覚。2030年までサッカー界から追放されるはずだったが、わずか3年後の2013年に復職していたとのこと。これにはインドネシアサッカー界の組織的な問題があるとも伝えられている。

今回の悲劇についても、アレマにはいくつかの不手際が指摘されている。

警察当局からは25,000枚しか刷ってはいけないと指示されていたものの、実際には45,000枚のチケットを刷ってたという。そのせいでスタジアムは観客数があまりにも多くなっていたとのこと。関係者は、スタジアムのキャパオバーは致命的な手続き違反だと述べている。

もうひとつは試合時刻。警察は15時30分のキックオフを提案していたが、その指示は無視され、結局は20時にキックオフされた。関係者によれば、好ましくない事態が起きた場合に治安面などに問題が発生するために夜中のキックオフは見直すべきだと何度も指摘されていたそう。

ただ、警察側にも違反が指摘されている。スタンドに向けて催涙ガスを発射することはFIFAのルールに違反しているのだ。

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