開幕が間近に迫ってきたFIFAワールドカップ・カタール大会。

このほど、試合が開催される8つのスタジアムで大会期間中にビールの販売はしないと発表された。

イスラム国であるカタールでは酒類の販売が厳しく制限されている。ただ、FIFAのメインスポンサーであるバドワイザーはW杯でのビール独占販売権を持っており、これまでは「スタジアム内の一部エリア」でアルコールが提供されるはずだった。その方針が開幕2日前に変更された形。

FIFA

「開催国とFIFAとの協議の結果、アルコールの販売をスタジアム周辺から取り除くことを決定した。

Bud Zero(ノンアルコールビール)の販売に影響はなく、カタールW杯の全スタジアムで手に入れることができる」

FIFAは1986年W杯から「バドワイザー」を製造する米大手のビール会社であるアンハイザー・ブッシュとスポンサー契約を結んでいる。

バドワイザーの公式Twitterは「これは無様」というメッセージを投稿したが、その後、削除されている。

また、「アンハイザー・ブッシュ」社の広報は「我々のコントロールを越えた状況」としているが、直前での決定変更にイングランドやウェールズのファンから強い反発が起きている。

【関連】2022W杯日本代表、ガチで世界を驚かせうる5人の選手

『The New York Times』によれば、今回の方針変更はカタールを支配する首長の弟が主導したもので、実質的には交渉不可だったとのこと。

2014年のブラジルW杯では、FIFAからの圧力により、地元議員たちがスタジアムでのアルコール販売禁止を免除する特別法案を可決している。カタールでは逆にFIFAが開催国の要求に応じる形になった。

「バドワイザー」は4年ごとに7,500万ドル(約105億円)のスポンサー料を支払ってきたが、今回の方針転換でその契約も複雑化しそうだという。

【厳選Qoly】インドネシアの帰化候補「150人超」に対し…帰化して日本代表になった7名