JリーグとオフィシャルブロードキャスティングパートナーのDAZN は30日、従来の放映権契約を一部見直し、2023年から2033年までの11年間、約2,395億円という新たな放映権契約で合意したことを発表した。

JリーグとDAZNは2017年から10年間で約2,100億円の放映権契約を締結。2020年には新型コロナの拡大によるJリーグの試合の一時中断を受け、2017年から2028年までの12年間で約2,239億円の放映権契約の見直しを行っていた。

お互いの成長戦略を推進するべく、常に連携してきた両者。

そうしたなか、Jリーグでは昨年3月に野々村芳和氏がチェアマンに就任。DAZNも新たにシャイ・セゲブ氏がDAZNグループのCEOに、山田学氏が日本でのビジネスを担うDAZN Japanエグゼクティブ バイスプレジデントに就任し、両法人ともに新体制となった。

新しい体制でこの1年間、様々な協議を重ね、昨年11月にJリーグの新たな成長戦略として掲げた2つの成長テーマである「60クラブがそれぞれの地域で輝く」「トップ層がナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く」の実現に向けて契約を見直し、2023年から2033年までの11年契約を新たに締結するに至ったという。

主な変更点は以下の3つ(※リリースより)

・テレビ地上波放送の扱い

テレビ地上波での試合中継をより多く行うことで、Jリーグとの無料での接点を増やしていく。
試合以外での露出も圧倒的に増やしながらJリーグファンを増やしていくことで、DAZN加入者の増加を目指す。

・J3リーグの放映

2024年からDAZNでの放映はJ1・J2リーグのみとし、J3リーグは無料放映も含めて最適な放映形式を検討する。
※2023年のJ3リーグは引き続きDAZNで全試合放映いたします。

・より柔軟なレベニューシェアのスキーム

Jリーグの成長に必要な財源を確保しながら、より加速的な成長が実現した場合は、さらなる成長投資が行えるような柔軟な契約・レベニューシェアのスキームを構築。

ファン・サポーターに大きく影響するのはやはりJ3のDAZNでの放映が基本的になくなる点だろう。ただ、今シーズンはDAZNで引き続き放映されるほか、2024シーズン移行も何らかの形で全試合が放映されるようにすると野々村チェアマンは会見で語っている。

また、レベニューシェアに関しては前回契約時よりも割合が増えており、さらに今回は約2,395億円の中にそれが含まれる形。つまり前回の「12年で約2,239億円」が総額として最少値だったのに対し、今回の契約は「11年で約2,395億円」が最大値となる。

野々村チェアマンやDAZNのシャイ・セゲブ氏、山田学氏のコメントはこちら。

公益社団法人日本プロサッカーリーグ チェアマン 野々村芳和氏

「チェアマン就任当初からDAZNとはお互いの成長のために様々な議論を重ねてきました。新たな成長戦略に基づきJリーグがより魅力的なリーグへと成長していくために、地上波試合中継本数への拡大にご理解いただきました。今回Jリーグに留保することになったJ3リーグも含め、様々な形でJリーグに触れられる機会を増やすことが、ファンベースの拡大に繋がり、JリーグとDAZN双方にとってwin-winのスキームとなる新たなパートナーシップを構築できたと感じています」

DAZN Group CEO シャイ・セゲブ氏

「2016年にサービスを開始してから、DAZNは日本最大級のデジタルスポーツプラットフォームとして成長してきました。日本のビジネスの成功はDAZNの成功に不可欠であり、今回の契約は両者の信頼関係を強化するものです。Jリーグとのパートナーシップは、日本における我々のビジネスの基盤であると感じています。2033年までパートナーシップを延長し、さらなる投資を続けていくことで、Jリーグとともに日本サッカー、スポーツ全体の発展にさらに寄与していけることを嬉しく思います」

DAZN Japan エグゼクティブ バイスプレジデント 山田学氏

「JリーグはDAZN にとってローンチ当初より最重要パートナーの一つであり、Jリーグは日本のスポーツファンの皆さまにとっても大変重要なコンテンツだと考えています。Jリーグの成功はDAZN Japanの成功と信じており、両社新リーダーシップのもと、これからもより良い関係を築き、Jリーグの成長を推進する様々な新しい取り組みを積極的に実施し、ファンの皆様にJリーグをよりエキサイティングにお楽しみいただけるよう全力で努めてまいります」

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コロナ禍を経て、野々村チェアマンのもと、成長のための新たな関係性をDAZNと構築していくことを表明したJリーグ。その動きに注目していきたい。

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