オーストラリアとニュージーランドの共催で行われているFIFA女子ワールドカップ。
アラブ諸国として初出場したモロッコ女子代表は、24日のドイツ戦に0-6で敗れたが、記者会見での質問が問題になっている。
モロッコでは女性やLGBTQ+ に対する差別的な法律があり、同性間の行為は「性的逸脱」として、懲役3年以下に処される。
そうしたなか、BBCのレポーターは、モロッコ女子代表キャプテンのギャザリン・シェベックにこう質問した。
「モロッコで同姓関係は違法です。チームに同性愛の選手はいますか?モロッコで彼女たちの生活はどうなんですか」。
この質問にシャベックは顔をしかめるとイヤホンを外し、横にいた監督のほうを見て苦笑いを浮かべた。
FIFA関係者が「すみませんが、これはとても政治的な質問です」とサッカー関連の質問にするようにうながしたが、BBCのリポーターは「ノー。政治的ではなく人に関することです。どうか彼女に質問に答えさせてください」と食い下がった。
その後、BBCは「質問は不適切だったと認識している。痛みや苦痛を与えるつもりはなかった」と謝罪している。
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Guardianによれば、FIFAは会見終了後にこの問題について話し合いを行ったという。
CBCの記者は「これは報道の自由の問題ではない。人々を危険に晒すことなく、各地の法律について尋ねることはできる。ジャーナリストは細心の注意を払う義務がある。もし、報道が誰かを傷つけるなら、それは非道徳というだけでなく危険なものだ」、The Athleticの記者も「危害削減の観点からすれば、選手に対する適切な質問ではないし、選手を危険に晒すことにになる。我々は今大会で政治とスポーツとの交わりを話題にするだろうし、それは絶対に必要だ。だが、自分たちの質問が政治的な影響を受けている人々にさらなる危険が及ばないように注意しなければいけない」と指摘している。
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