アジア大会男子サッカー決勝U-22日本代表対U-24韓国代表戦が7日に杭州オリンピック・スポーツ・エキスポセンターで行われ、日本は韓国に1-2で敗れた。
スコアは僅差だったが、内容は終始ゲームの主導権を韓国に握られる形で圧倒された。日本はスピードとテクニックのあるブレーメンU-23FW佐藤恵允が左サイドから推進力を生かして攻撃を仕掛ける堅守速攻型のサッカーを中心に、試合開始早々の前半2分に筑波大FW内野航太郎の得点で先制した。
だが兵役免除がかかる決勝に臨んだ韓国はオーバーエイジ3人に欧州で活躍するフランス1部PSGのMFイ・ガンイン、ドイツ1部シュトゥットガルトMFチョン・ウヨンとメンバーが揃っており、ポゼッションフットボールでゲームを支配して逆転優勝に至った。
日本はなぜ韓国に圧倒され、手玉に取られてしまったのか。それは巧妙な個人戦術に嵌まってしまったことが大きな要因と思える。敗因を分析し、育成年代の日本代表が抱える課題と試合で得た収穫を明らかにする。
序盤は日本ペースだったが
立ち上がりは佐藤のドリブル突破から内野の先制点により、今大会最強といわれる韓国相手に優位にゲームを進めているように見えた。日本は4-2-3-1の布陣でタイトに素早く寄せて、韓国の攻撃の出だしに圧力をかけた。
勢いがある日本が韓国に猛攻をかける展開となり、この局面で畳みかけるように追加点を奪えさえすれば優位にゲームを運べただろう。ただ前半15分ごろから日本に暗雲が垂れ込めてきた。試合の流れは日本ペースのはずだが、パスやポジショニングがゲームが進むに連れてじわじわとズレ始める。
後半になるとそのズレはチグハグと表現できるほどの劣悪な状況になっており、このころには韓国がしっかりとボールを保持してゲームの主導権を完全に握ってしまった。韓国にリズムを狂わされた日本は防戦一方となり圧倒された。