かつてFCポルトやチェルシー、レアル・マドリーで数多くのタイトルを獲得したジョゼ・モウリーニョ監督。
選手としてのキャリアを持っていないにもかかわらず、豊かなカリスマ性を武器にスターをまとめ上げ、一時期は世界最高の指導者だと評価を受けていた。
現在ローマを率いている彼は今回『gameplan-a』のロングインタビューに応え、その中で指導者としての技術について以下のように語っていた。
ジョゼ・モウリーニョ
「監督としてはアメとムチがなければならない。アメといっても、『優しくする』という言葉は適切ではないよ。
我々がグループで仕事をするのであれば、自分の考えに固執するだけではなく、選手が考えていることや感じているものに対してオープンな態度でいなければならないということだ。
グループは声を上げる必要がある。それぞれが意見を持つ必要があり、さらにそれを共有する必要もあるのだ。
だから、それをチームとして機能させるためには選手たちに対してオープンでいなければならないんだ」
「試合は3試合連続で勝つこともある。しかしそれは天国ではない。勝利を重ねていることは、敗北が近づいているという意味でもある。
しかし2~3試合連続で負けることもあり、それは地獄ではない。なぜなら、いずれその暗い時間を抜け出すことができ、再び勝利できるからだ。
バランスを保つことはとても重要であり、それは私が多くの経験から学んだものだ。経験があればあるほどよりバランスが取れる。選手たちはそのように落ち着いた人物を見て、信頼できる男だと感じるだろう。
共感することは、全員が同じプロジェクトに参加することを意味する。クラブは多くの人で構成されている。オーナー、コーチ、選手などみんなでね。
そして彼ら全員が私に共感すれば、それはみんなが同じ方向を向いていることを意味するのだ。
若い指導者に必要なこと?あまりにも急いで物事を始めないことだね。とても難しい仕事だからだ。
だから、初めてコーチングの仕事をするときには準備が出来ていなければいけない。それがなければ、仕事を得たときと同じようなスピードで仕事を失うことになるだろう」
【関連記事】ナメんなよ!「プロ選手経験なしでも最強の素人監督」10名
アメとムチという言葉は日本でもよく使われるが、モウリーニョにとってのアメというのは優しくすることではなく「相手の意見や考え方に聞く耳を持つこと」であるようだ。