高校サッカーきっての名門として知られる市立船橋。
今年度、流通経済大柏や日体大柏など全国の中でも激戦区と呼ばれる千葉県を勝ち抜き、12年ぶりの選手権優勝に「あと2勝」まで迫ったが、準決勝で青森山田の前に涙を吞んだ。
しかし劣勢の前半から迎えた後半、本来のパフォーマンスを取り戻し、79分に久保原心優のゴールで追いついた点は改めて彼らの底力を示すものだった。
最後はPK戦での決着となった一戦。同点弾をアシストするなど市船をけん引したキャプテンの太田隼剛は、青森山田との差について試合後にこのように語っていた。
「やっぱり日頃どれだけ突き詰めてやっているかの差だと思います。自分たちもこだわってはいるんですけど、突き詰められてはいない部分が私生活やピッチ内で少しでもあったのかなと思います。そういう部分で言うと、(青森)山田さんのほうがそういうところはしっかり突き詰めて毎日行動しているというのがこういう舞台で出るのかなと思いました」
プレミアリーグEASTでも毎年対戦している両者だが、ピッチ内外で“こだわる”部分について試合の中で差を感じたようだ。
芝田玲のコーナーキックを小泉佳絃がヘディングで合わせて青森山田が先制した場面に関しても「分析通りそのままでしたけど、コーナーのキックの質もよかったですし、入り方やブロックとかも精度が高くて。そういうところを本当に突き詰めているのが山田さんだと思いますし、それを守りきれなかったというのが自分たちのチームの実力です」と振り返った太田。
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それでも最後は「最終的に自分たちのサッカーを全部出しきれたので、そういう部分では全く後悔はしていません」と振り返り、熱戦の味を嚙みしめていた。