今季限りでバルセロナからの退任を電撃発表したチャビ・エルナンデス監督。
最後の砦といえる存在だった彼はなぜ愛するバルサを去る決断を下したのか。『BBC』は、その理由は、孤立、敬意のなさ、サポート不足だとしている。
チャビはカタールのアル・サッドを率いていた2021年末にバルサの指揮官に招聘されたが、当時からジョアン・ラポルタ会長らは疑念を抱いていたという。チャビはラポルタとバルサ会長選を争ったビクトル・フォント氏とつながりがあるため、ラポルタはチャビを理想的な人物だとは思っておらず、バルセロナBで経験を積むべきだと内部で示唆したこともあったそう。
それでも、ラポルタがチャビを任命したのには理由があった。クラブのレジェンドで人気者でもある彼はうまくいかなくなった時に“盾”になる存在になるほか、バルサはひどい財政状況的にあるためラポルタの希望するような監督は誰も来てくれなかったためだ。
チャビは就任2年目にリーガ優勝を成し遂げたが、28勝のうち11勝は1-0の勝利でファンたちが望んでいたスタイルではなかった。ただ、財政難のために指揮官が望むような補強はできなかった。
チャビはアーリング・ハーランドと面談したものの、すぐに彼がバルサの財政から外れていることを察知。ベルナルド・シウヴァはバルサ加入を喜んでいたが、財政的に不可能だった。また、退団したセルヒオ・ブスケツの後継者として、レアル・ソシエダMFマルティン・スビメンディの獲得を希望したものの、交渉すらされなかった。