昨年夏にFC東京からスコティッシュ・プレミアシップのハート・オブ・ミドロシアン(ハーツ)に移籍することになったFW田川亨介。
その際には数十万ポンドの移籍金が支払われたと伝えられており、3年契約が結ばれた。しかしながらシーズンの序盤はハムストリングと足首の怪我に悩まされ、先日のマザーウェル戦も脳震盪の影響によってベンチ入りを逃している。
ここまでの成績は14試合で1ゴールに留まっており、プレーするポジションもサイドハーフが多くなっていた。
ハーツにはスコティッシュ・プレミアシップで今季18ゴールを決めている絶対的なセンターフォワードのローレンス・シャンクランドが所属しており、システムも4-2-3-1が多いためだ。
その状況もあってこの冬にはポルトガルや日本のクラブから関心を寄せられていたとのことだが、ハーツは彼を安く売ることを拒否し、後半戦もチームに残すことを選択した。
『edinburghnews』によれば、ハーツの監督を務めているスティーヴン・ネイスミス氏は以下のように話していたという。
「異なる大陸からやってきた選手にとっては難しいことだ。スコットランドのリーグは選手として必要とされる能力について特殊なところもある。
エアドリー戦で彼に45分を与えられたのは良かった。プレーを見ると、彼はボールタッチには自信を持っているように見えたが、まだセーフティーにやりすぎている。
彼を含めた前線には『少しだけ幅を取るように』と要求した。ただ、100%ボールを保持した状況になっても彼は自分のプレーをしているだけだったと気づいた。
おそらくそれは私のミスだ。ボールを持ったときに彼は外にポジションを取りすぎているように見えたが、それを伝えたのは私だ。彼のミスというよりは私の方だ。
田川亨介を妨げているものは、シャンクス(FWローレンス・シャンクランド)の好調なパフォーマンスと、我々の状況だ。シャンクスとアラン・フォレスト、ケネス・バルガスが全員成長して先発のポジションを獲得しているからね。
彼のトレーニングを見れば、いい資質を持っていることはわかる。ただ、改善が必要な部分もある。特にスコットランドのサッカーに適応するという点でね。
全体的には複雑な状況だ。全てが良くなる必要がある。出場時間も増えなければならないし、試合でのプレーも良くなる必要もあるし、適応の時間も必要だ。
彼は毎日ハードワークしており、学ぶことには熱心だ。これから夏まで何が起こるかを見ていかなければいけない。
田川亨介は、契約してからすぐに結果を出さなければならないというプランで獲得した選手ではない。『2ヶ月で力を証明しなければ認められない』という立場ではないのだ」
戦術的な部分での適応や応用があまりできておらず、本職のストライカーでプレーできない状況もあるものの、毎日の努力や資質についてはかなり高い評価を受けているようだ。
記事によれば、今週末のグラスゴー・レンジャーズ戦についてはまだ十分に脳震盪から回復しているかどうかわからないそうで、ベンチ入りするかは不明なようだ。