イランのサッカーで歴史的なマイルストーンを作るはずだった女性審判マフサ・ゴルバニが、試合直前で任を解かれたとのことだ。
マフサ・ゴルバニは1989年生まれで、ゴールキーパーとしてプレーしたあとに審判へと転身したというイラン人女性。
2017年からFIFAの国際主審となり、2018年と2022年の女子アジアカップや東京五輪のアジア予選、2023年の女子ワールドカップでホイッスルを吹いたことで知られている。
そして、13日に行なわれたイランリーグ最大のダービーマッチであるエステグラル対ペルセポリスでVAR担当の1人として審判団に加わることが発表されていた。
これはイランのサッカー界において「初めて男子の試合を担当する女性審判」という歴史的な出来事になるはずだった。
しかしながら、『IRNA』などが伝えたところによれば、試合直前にマフサ・ゴルバニはその担当から外されてしまったとのこと。
イランサッカーリーグ機構のソハイル・マハーディ会長が説明したところによれば、「これはあらゆる議論を排除したいという仲裁委員会による決定である」とのことだ。
なお、その「あらゆる議論の可能性」については具体的な説明は避けられたという。
エステグラル対ペルセポリスではマフサ・ゴルバニの代わりにサドラ・ゴルモラーディがVAR担当レフェリーを務め、審判団は全員が男性で構成されることになった。
イランでは40年間ほど女性がサッカーのスタジアムに足を踏み入れることが禁止されており、それが解禁されたのは2019年のこと。
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FIFAの圧力もあってイラン代表対カンボジア代表の試合で3500人の女性観客が受け入れられ、さらに2022年1月にもイラン対イラクで2000人の女性の入場が許された。
それ以降イランのサッカースタジアムでは限られた数ながら女性の観戦が許されている状況にある。